手すり
取り付けに工事がいらない手すりで、立ち上がりや段差の上り下りを支えます。
手すりが要るのはこんなとき
玄関の上がりかまち、寝室からトイレまでの廊下、浴室の出入口。転ぶ場所はだいたい決まっていて、家の中で一度ひやりとしたところが、そのまま手すりを置く場所になります。
布団やベッドから立ち上がるときに、壁やタンスに手をついているなら、そこが危ない場所です。家具は動くので、つかまるものとしては当てになりません。
床に置くだけ、あるいは天井と床で突っ張るだけなので、賃貸でも借家でも使えます。壁に固定する工事をすると住宅改修という別の扱いになり、手続きも費用の出方も変わります。
夜中にトイレへ立つときが、いちばん転びやすい場面です。寝起きで足元がふらつき、暗くて距離感がつかめません。寝床からトイレまでの動線に、つかまるところが途切れずに続いているかを見てください。
借りるものか、買うものか
介護保険で借りるもの(福祉用具貸与)です。
制度の上での品目名は「手すり」です。事業所のカタログやケアプランには この名前で載るので、見積書と突き合わせるときの手がかりになります。
使える要介護度
要支援1から要介護5まで、認定を受けていれば借りられます。
要介護度は市区町村の認定で決まります。今の区分が分からないときは、 介護保険被保険者証か、担当のケアマネジャーに確かめてください。
この品目に含まれるもの
告示で「手すり」として扱われるのは、次のようなものです。 同じ名前で売られていても、この範囲から外れると介護保険は使えません。
- 据置型手すり
- 突っ張り型手すり
- ベッドサイド用手すり
手すりの料金の目安
借りるときの1か月の額は1割負担でひと月およそ200円〜500円です。
壁に取り付ける工事を伴う手すりは、福祉用具貸与ではなく住宅改修の扱いになります。
福祉用具貸与には品目ごとに上限価格が決められていて、事業所はその範囲で額を決めています。同じ品物でも事業所によって額が違うので、見比べる値打ちがあります。
ここに書いた額は目安です。実際の額は機種と事業所によって変わり、負担の割合も所得によって1割・2割・3割と違います。契約の前に必ず見積もりで確かめてください。
手すりを選ぶときに見るところ
置くだけの手すりは、置く場所で効き目が変わる
据置型はベッドや便座の脇に置いて、立ち上がるときに手をかけます。土台の重さで支えるので、床が平らで硬いことが前提です。畳の上では沈んでぐらつくことがあります。
突っ張り型は天井と床の間で突っ張ります。天井が石膏ボードだけの場所や、上に梁のない場所では効きません。取り付けられるかどうかは、事業所が下見をして判断します。
握る高さは、立ち上がる動きに合わせる
人が立ち上がるときは、いったん前かがみになってから腰を上げます。手すりが高すぎると前へ体重を移せず、腕だけで体を引き上げることになります。
その人が実際に立ち上がる動作を見て、手が自然に届く位置に合わせます。カタログの数字ではなく、その場で合わせるものです。
工事のいる手すりとは制度が別
壁にねじで留める手すりは住宅改修にあたり、20万円の枠から1割を払って取り付けます。借りるのではなく付けてしまうので、賃貸なら大家の承諾が要ります。
どちらにするかは、その場所をこれからも使い続けるかで決まります。使う場所が変わりそうなら、置くだけの手すりのほうが動かせて融通が利きます。
一本ずつではなく、動線でつなぐ
立ち上がるところに一本置いて終わり、では途中で手が離れます。人は手が離れた瞬間にふらつきます。寝床から便座まで、つかまるところが途切れないように並べる考え方をしてください。
途中に家具しか無い区間があるなら、そこが弱いところです。たんすや棚は動くので、体重をかけると一緒に倒れます。
手すりを使うときに気をつけること
突っ張る型は、天井が弱いと効きません。和室の目透かし天井や、点検口のふたの上には立てられません。取り付ける人に天井の作りを見てもらってください。
置くだけの型は、体重をかける向きによってはずれます。ずれた跡が床に付いていたら、置き方か型が合っていません。
手すりの高さは、まっすぐ立ったときに手首のあたりが目安です。低すぎると前かがみになり、高すぎると肩が上がって力が入りません。使う人に握らせて決めます。
手すりを置いたことで、かえって通り道が狭くなることがあります。歩行器や車いすを使っているなら、置いたあとに実際に通ってみてください。すれ違えなくなった廊下は、別の危険を作ります。
介護保険を使わずに借りるとき
要支援でも介護保険で借りられる品目なので、自費にする場面はあまりありません。認定を待っている間だけ市販の突っ張り型で間に合わせる、という使い方はできます。
壁に固定する工事は、この品目ではなく住宅改修として20万円の枠を使います。借りる手すりで足りるなら、その枠は使わずに取っておけます。
手すりを使い終わったら
据え置く型も突っ張る型も、事業所が外して持ち帰ります。床や天井に跡が残っていないかを、返すときに一緒に見てもらってください。
自費で買った突っ張り型は、金属なので粗大ごみになることが多くあります。ばらせば指定の袋に入ることもあるので、分解できる型かどうかで手間が変わります。
手すりのよくある質問
要支援でも借りられますか。
借りられます。手すりは、軽い認定の人への貸与制限がかからない品目です。
賃貸でも使えますか。
置くだけ・突っ張るだけなので、壁に穴を開けずに使えます。ただし突っ張り型は天井に跡が残ることがあるので、借りる前に事業所に確かめてください。
壁に穴を開けずに設置できますか。
できます。床に置くだけの型と、床と天井で突っ張る型は工事が要りません。賃貸で壁に手を加えられない家でも使えます。
浴室にも置けますか。
浴室用の型があります。ただし浴槽の縁に掛けるものは入浴補助用具という別の品目になり、そちらは買うものです。
何本まで借りられますか。
本数に決まりはありません。必要な場所の数だけ借りられます。ただし置くほど月々の負担も増えるので、どこに要るかをケアマネジャーと決めてから借りてください。
手すりと一緒に使うことが多い品目
この品目の解説
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手すりを借りるには、 都道府県の指定を受けた福祉用具貸与の事業所と契約します。全国で6,958件が福祉用具貸与の指定を受けています。