床ずれ防止用具

同じ場所に体重がかかり続けることで起きる床ずれを防ぐための、マットレスなどの用具です。

床ずれ防止用具が要るのはこんなとき

自分で寝返りが打てなくなってきたときが、いちばん分かりやすい合図です。人は寝ている間に何十回も向きを変えていて、それができなくなると同じところに体重がかかり続けます。

お尻の骨が出ているところ、かかと、背中の中心が赤くなっていて、指で押しても白くならないなら、すでに床ずれの入り口です。ここで手を打つかどうかで、その後の何か月かが変わります。

食が細くなって痩せてきた人も、骨が皮膚を内側から押すので危なくなります。体重が落ちてきたら、動けているうちから考えておく品目です。

借りるものか、買うものか

介護保険で借りるもの(福祉用具貸与)です。

制度の上での品目名は「床ずれ防止用具」です。事業所のカタログやケアプランには この名前で載るので、見積書と突き合わせるときの手がかりになります。

使える要介護度

要支援1・2と要介護1の人は、原則として介護保険では借りられません。ただし体の状態によっては例外として認められる道があります。

要介護度は市区町村の認定で決まります。今の区分が分からないときは、 介護保険被保険者証か、担当のケアマネジャーに確かめてください。

この品目に含まれるもの

告示で「床ずれ防止用具」として扱われるのは、次のようなものです。 同じ名前で売られていても、この範囲から外れると介護保険は使えません。

  • 送風装置または空気圧調整装置を備えた空気マット
  • 水などによる体圧分散式マットレス

床ずれ防止用具の料金の目安

借りるときの1か月の額は1割負担でひと月およそ300円〜1,000円です。

福祉用具貸与には品目ごとに上限価格が決められていて、事業所はその範囲で額を決めています。同じ品物でも事業所によって額が違うので、見比べる値打ちがあります。

ここに書いた額は目安です。実際の額は機種と事業所によって変わり、負担の割合も所得によって1割・2割・3割と違います。契約の前に必ず見積もりで確かめてください。

床ずれ防止用具を選ぶときに見るところ

動けなくなるほど必要になる

自分で寝返りが打てるうちは、体重のかかる場所が自然に変わるので床ずれになりにくくなります。危ないのは、同じ姿勢のまま何時間も過ごすようになったときです。

送風装置の付いた空気マットは、空気の入る場所を順に変えて、体重のかかる場所をずらし続けます。2時間おきに体の向きを変える介助を、機械が肩代わりする形です。

柔らかいほど良いわけではない

体が沈むほど圧は分散しますが、そのぶん自分で起き上がる力は使えなくなります。まだ座る・立つ動作が残っている人に厚い空気マットを入れると、その力を先に失わせることがあります。

どこまで沈ませるかは、床ずれの危なさと、残っている動きのどちらを取るかの判断です。福祉用具専門相談員だけでなく、看護師の見立ても要る場面です。

すでに皮膚が傷んでいるなら、用具より先に受診

押しても赤みが引かない、皮がむけているという段階なら、用具を替える前に医師か訪問看護に見てもらいます。床ずれは進むと治るまでに数か月かかります。

用具は防ぐためのもので、できてしまった傷を治すものではありません。

床ずれ防止用具を使うときに気をつけること

空気で支える型は、体重に合わせて硬さを設定します。設定が合っていないと、沈みすぎて底に着くか、硬すぎて効きません。設定の仕方は借りるときに必ず教わってください。

柔らかいマットレスは、寝返りや起き上がりを難しくします。自分で動ける人に強い型を入れると、動く力をかえって奪います。

電気で動かす型は、停電のときに空気が抜けます。長く止まると危ないので、非常時にどうするかを事業所に聞いておきます。ポンプの音が気になって眠れないという相談も少なくありません。

介護保険を使わずに借りるとき

要支援と要介護1は原則として対象外ですが、床ずれができている、あるいはできそうだという状態なら、例外として認められる道があります。あきらめて自費に決める前に、担当のケアマネジャーに市区町村への相談を頼んでください。

自費で買うと数万円から十数万円かかります。床ずれは治るまでに何か月もかかることがあるので、買うか借りるかは「どのくらいの期間使うか」で考えます。

床ずれ防止用具を使い終わったら

返すと洗って消毒され、ポンプは点検を受けてから次の人へ回ります。空気を送る機械が付いているので、自分で運び出す必要はありません。

床ずれが治って要らなくなったら、そのまま返すのではなく、次にどのマットレスへ替えるかを一緒に決めます。強い型から急に普通のものへ戻すと、また赤くなることがあります。

床ずれ防止用具のよくある質問

空気マットの音は気になりますか。

送風装置のモーター音が続きます。多くは静かですが、寝室が狭いと気になる人もいます。試せる期間があるか、借りる前に事業所に聞いてみてください。

停電したらどうなりますか。

空気がすぐに抜けない作りのものがほとんどで、しばらくは形を保ちます。長い停電に備えるなら、手動で空気を止める弁の位置を確かめておいてください。

普通のマットレスの上に重ねて使えますか。

重ねると効きません。体を支える面が2つになり、下の硬さが伝わってしまいます。入れ替えて使ってください。

床ずれができてから借りても間に合いますか。

間に合います。ただし治るまでの時間は、できた深さによって大きく変わります。赤くなった段階で使い始めるほうが、結果として早く済みます。

床ずれ防止用具と一緒に使うことが多い品目

この品目の解説

あわせて読む