介護ベッド(特殊寝台)

背中や脚の角度、床からの高さを変えられるベッドで、起き上がりと立ち上がりを助けます。

介護ベッド(特殊寝台)が要るのはこんなとき

夜中に何度もトイレへ起きるようになり、布団から立ち上がるのに手をつく場所が要る、という段階が入り口です。床に敷いた布団は、立ち上がるときに膝と腰の両方を使うので、体力が落ちるといちばん先につまずくところになります。

起き上がるときに家族が毎回背中を支えているなら、その介助を機械に肩代わりさせられます。背中を起こす角度を少しずつ変えられるので、めまいが出やすい人にも向きます。

日中もベッドの上で過ごす時間が長くなり、食事をとる姿勢を作りたいときにも使います。背を起こして高さを合わせれば、ベッドの上でも前かがみにならずに食べられます。

「畳で寝てきたからベッドは嫌だ」という人は多くいます。**長年の寝方を変える話なので、道具の説明だけでは動きません。** 夜中に起き上がれずに困っているのはどの場面かを本人と数えていくと、話が具体になります。畳の部屋にそのまま置ける低い型もあるので、部屋ごと変える必要はありません。

借りるものか、買うものか

介護保険で借りるもの(福祉用具貸与)です。

制度の上での品目名は「特殊寝台」です。事業所のカタログやケアプランには この名前で載るので、見積書と突き合わせるときの手がかりになります。

使える要介護度

要支援1・2と要介護1の人は、原則として介護保険では借りられません。ただし体の状態によっては例外として認められる道があります。

要介護度は市区町村の認定で決まります。今の区分が分からないときは、 介護保険被保険者証か、担当のケアマネジャーに確かめてください。

この品目に含まれるもの

告示で「特殊寝台」として扱われるのは、次のようなものです。 同じ名前で売られていても、この範囲から外れると介護保険は使えません。

  • 2モーターベッド
  • 3モーターベッド
  • 背上げ機能
  • 高さ調整機能

介護ベッド(特殊寝台)の料金の目安

借りるときの1か月の額は1割負担でひと月およそ800円〜1,500円です。

マットレスと柵は「特殊寝台付属品」にあたり、合わせて借りるとさらに月に数百円かかります。

福祉用具貸与には品目ごとに上限価格が決められていて、事業所はその範囲で額を決めています。同じ品物でも事業所によって額が違うので、見比べる値打ちがあります。

ここに書いた額は目安です。実際の額は機種と事業所によって変わり、負担の割合も所得によって1割・2割・3割と違います。契約の前に必ず見積もりで確かめてください。

介護ベッド(特殊寝台)を選ぶときに見るところ

モーターの数で、できることと値段が変わる

1モーターは背中を起こすだけ、2モーターは背中と高さ、3モーターは背中・脚・高さをそれぞれ動かせます。

起き上がりを助けたいだけなら2モーターで足ります。ベッドの上で食事をとる、むくんだ脚を上げて休む、といった使い方が続くなら3モーターが要ります。

高さが変わることは、本人よりも介助する人に効きます。おむつ交換や着替えを腰をかがめずにできるかどうかで、介助する側の体が何年もつかが変わります。

置く場所はベッドの幅だけでは決まらない

介護ベッドはシングルの布団より大きく、さらに柵とサイドテーブルの張り出しが加わります。運び入れる経路の幅と、部屋のドアが開ききるかを先に測ります。

壁にぴったり付けると、介助する人が片側からしか手を出せなくなります。少なくとも片側に人が立てる幅を残せるかを見ておきます。

マットレスは体の状態で選び分ける

自分で寝返りが打てるなら、硬めのマットレスのほうが起き上がりやすくなります。柔らかいものは沈み込んで、かえって力が要ります。

寝返りが打てない、同じ姿勢が何時間も続くという状態なら、床ずれ防止用具のほうを検討します。こちらは別の品目として借りるものです。

電気で動くものだということ

介護ベッドはコンセントを使います。**枕もとに空きがなければ、ベッドを置く前に配線を考えておきます。** 延長コードを床に這わせると、それ自体がつまずく物になり、動く部分に巻き込まれることもあります。

動かすときにはモーターの音がします。昼のうちは気にならなくても、夜中に何度も背を起こす暮らしになると、同じ部屋で寝ている家族が毎回目を覚まします。置く部屋を決めるときに、この音のことも計算に入れてください。

停電すると電動の部分は止まります。手で回して背を戻せるハンドルが付いている機種があるので、==どこに何が付いているかを、借りたその日に聞いておきます。== 停電してから探すことになりません。

介護ベッド(特殊寝台)を使うときに気をつけること

柵とマットレスの隙間に腕や首が挟まる事故が、実際に起きています。柵は必ずそのベッドに合うものを使い、隙間ができていないかを取り付けたときに確かめてください。

高さを上げたまま寝かせると、寝返りで転落します。おむつ交換や着替えで上げたら、終わったあとに必ずいちばん低くします。

電動で動く部分に、手や電源コード、掛け布団が巻き込まれます。動かす前に、体とものの位置を目で見る癖をつけます。

本体だけで数十キロあり、そこに人が乗ります。==畳の部屋では脚のところが凹みます。== 気になるなら、下に敷く板を事業所に頼んでください。多くの事業所が用意しています。

介護保険を使わずに借りるとき

要支援と要介護1では原則として介護保険で借りられないので、自費で借りることになります。月々の額は保険を使うときの10倍見当になり、買うと十数万円からです。使う期間が数か月なら、買うより借りるほうが安く済みます。

退院してからの数か月だけ要る、という見通しなら、はじめから借りるほうが無駄になりません。あとで要介護度が上がって介護保険が使えるようになったら、そのまま保険の契約へ切り替えられる事業所もあります。

要支援や要介護1でも、日によって起き上がれないなど体の状態によっては、例外として保険で借りられる道があります。**自費で借り始める前に、その道が使えるかをケアマネジャーに確かめてください。** 順序を逆にすると、払わずに済んだ数か月ぶんを払うことになります。

介護ベッド(特殊寝台)を使い終わったら

要らなくなったら事業所に連絡します。分解して運び出し、洗って消毒し、点検してから次の人へ回ります。運び出しの費用も含まれているので、こちらで手配することはありません。

入院や入所が決まったときは、いつまで置いておくかを先に相談してください。返すのが早すぎると、退院したときに使うものがありません。日にちを決めずに置いたままにすると、そのぶんの費用がかかります。

介護ベッド(特殊寝台)のよくある質問

要介護1ですが介護ベッドを借りられますか。

原則として対象外です。ただし、日によって起き上がれないなど体の状態によっては例外として認められることがあります。判断するのは市区町村なので、まずケアマネジャーに相談してください。

家具店で売っている電動ベッドとは違うのですか。

介護保険で借りられるのは、告示で決められた条件を満たした特殊寝台だけです。家具店の電動ベッドは、見た目が似ていても介護保険の対象になりません。

買ったほうが安くなりませんか。

買うと介護保険は使えず全額の負担になります。体の状態が変われば別の型に借り換えられること、壊れたときの修理と引き取りが料金に含まれることを合わせて考えると、借りるほうが向く場面が多くなります。

搬入にはどのくらいの広さが要りますか。

分解した状態で運び込むので、部屋のドアを通れば入ることがほとんどです。心配なら、下見に来てもらってから契約できます。廊下の曲がり角と、階段の踊り場の幅が関門になります。

停電したら背もたれは戻せますか。

手で回して戻すハンドルが付いている機種があります。借りるときに、付いているかどうかと置き場所を確かめておいてください。付いていない機種では、電気が戻るまで角度は変わりません。

介護ベッド(特殊寝台)と一緒に使うことが多い品目

この品目の解説

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