介護ベッドの大きさと、部屋に入るかどうかの測り方

選び方と使い方 / 2026-08-23 公開 / 約2,200字

介護ベッドで最初につまずくのは、機能ではなく大きさです。部屋には入ったものの、柵を開けられない、片側に回れない、扉が閉まらない。搬入の日に分かっても遅いので、決める前に測ってください。測る場所は多くありません。

幅は寝るためではなく、動くために決める

介護ベッドの幅は、家庭用のシングルより狭い型があります。狭いほうが劣っているわけではありません。 幅が狭いと、介助する人が体に近づけます。

寝返りを自分で打てる人には、ある程度の幅が要ります。自分で動く人には広め、介助が中心の人には狭め。 決め方の軸はここです。

幅を広くすると、部屋の中で人が通る場所が減ります。 ベッドの周りに回れる場所がないと、着替えもおむつの交換も片側からになり、介助する側の腰に負担が集まります。

長さは身長ではなく、足元の余裕で決まる

長さは身長より二十センチほど余裕があれば足ります。背を起こす機能を使うと、体は頭のほうへ寄ります。 短くて困ることは多くありません。

長いほうを選ぶと、部屋の中で頭側にも足側にも余裕がなくなります。足元にわずかでも通れる場所を残せるかどうかが、暮らしやすさを分けます。

身長の高い人向けに長い型もあります。足が柵に当たる、かかとが浮くという状態は、床ずれの原因になります。 実物で寝てみて確かめてください。

家庭用のベッドとは、目的が違う

家庭用のベッドは、寝心地のためにつくられています。介護ベッドは、起き上がる、立ち上がる、介助を受けるためにつくられています。高さを変えられることが、いちばんの違いです。

床に近い高さにすれば、落ちたときの怪我が軽くなります。高くすれば、介助する人が腰をかがめずに済みます。同じベッドを、場面ごとに違う高さで使います。

家具店で買うベッドを介護に使うと、この使い分けができません。安く済ませたつもりが、介助する側の腰を痛めることにつながります。 続く介護なら、借りるほうが向いています。

測るのは、部屋ではなく通り道

搬入で止まるのは、部屋ではなく途中です。玄関の扉の幅、廊下の曲がり角、階段の踊り場、部屋の入口。いちばん狭いところが、通れるかどうかを決めます。

介護ベッドは分解して運び込むので、組み立てた大きさがそのまま通る必要はありません。それでも背板と床板は分けられない大きさで運びます。 事業所に、運び込む部品の大きさを聞いてください。

二階へ上げる場合は、階段の幅と、曲がり角での振り回しの余裕が要ります。 上げられない家では、一階の部屋に寝る場所を移すことになります。ここは早い段階で決めておく話です。

置いたあとに必要な、周りの余裕

ベッドの片側だけを壁につけ、反対側に人が立てる場所を残すのが基本です。両側を壁と家具にはさむと、介助が片側からしかできなくなります。

柵は上げ下げするので、その動きの分の余裕が要ります。壁につけすぎると、柵が壁に当たって最後まで下がりません。 数センチの話ですが、毎日効いてきます。

車いすを横づけするなら、その分の場所も見ておいてください。 ベッドから車いすへの移動は、真横につけられるかどうかで難しさが変わります。

背を起こすと、天井側にも動く

背上げをすると、上半身が起きて頭の位置が上がります。上の棚や照明に当たらないかを確かめてください。

高さを上げる機能を使うと、ベッド全体が持ち上がります。窓の桟、エアコンの風、カーテンレール。 平らに寝ているときには当たらないものに当たります。

柵とベッドの間に体がはさまれる事故が繰り返し起きています。 消費者庁が注意を呼びかけている内容です。柵の種類と隙間は、相談員に必ず確かめてもらってください。

部屋そのものを、動かせないかを考える

寝室が二階にある、日当たりが悪い、トイレから遠い。ベッドを合わせる前に、寝る部屋を変えられないかを考えるほうが早いことがあります。

一階の和室や客間に移す家は多くあります。家族の生活の場に近いほうが、声をかけやすく、様子にも気づきやすい。 本人が嫌がる場合もあるので、話し合いは早めに始めてください。

このサイトの市区町村ページから、地域の福祉用具貸与の事業所を探せます。 実物の大きさは、事業所に確かめるのがいちばん確かです。図面を持って相談に行く方法もあります。

搬入の日は、通り道の家具をあらかじめ動かしておいてください。当日に動かす時間は組まれていません。

介護ベッドの幅はどれくらいですか。

型によって幅が用意されており、家庭用のシングルより狭いものから、ゆとりのあるものまであります。事業所の扱う型で確かめてください。介助が中心なら狭め、自分で寝返りを打つなら広めが目安です。

二階に置けますか。

階段の幅と曲がり角の余裕によります。分解して運びますが、分けられない部品があるので、事業所に下見をしてもらうのが確実です。

畳の部屋に置いても大丈夫ですか。

置けますが、脚のあとが残ります。畳を傷めたくないときは、下に板を敷く方法があります。搬入前に相談してください。

使わないときは高さを下げておくべきですか。

介助が終わったら低い位置に戻すのが基本です。落ちたときの怪我を軽くするためで、説明書にも書かれています。

この記事にかかわる品目

背中や脚の角度、床からの高さを変えられるベッドで、起き上がりと立ち上がりを助けます。

介護ベッド(特殊寝台)のページを見る

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

関連する記事

地域から事業所を探す

福祉用具を借りるには、指定を受けた事業所と契約します。 お住まいの地域から探せます。

都道府県の一覧へ