トイレを使いやすくする
トイレの困りごとは相談しにくく、我慢したまま暮らしが縮んでいきます。けれども、手を打てる範囲は広い場所です。何ができなくて困っているのかを分けて考えると、手立てが見つかります。
困りごとを分ける
トイレまで歩けない、間に合わない、便座から立てない、ドアが開けにくい、狭くて介助できない。同じ「トイレが大変」でも、中身がまるで違います。
この分け方をしないまま「トイレに手すりを」と頼むと、実際には効かない場所に付くことがあります。どの動作で止まっているのかを、先に一度観察してください。
| 困っていること | 手立て |
|---|---|
| トイレまで歩けない | 廊下の手すり、歩行器、ポータブルトイレ |
| 間に合わない | ポータブルトイレ、排泄予測支援機器 |
| 便座から立てない | 補高便座、手すり、立ち上がり補助便座 |
| 和式でしゃがめない | 腰掛便座、洋式への取り替え |
| ドアが開けにくい | 引き戸への取り替え |
| 狭くて介助できない | 壁の手すり、扉の向きの変更 |
便座から立てないなら、まず高さ
便座が低いと、立ち上がるときに膝と腰へ大きな力が要ります。補高便座を敷いて数センチ高くするだけで立てるようになる人がいます。
高くしすぎて足が床から浮くと、かえって不安定になります。 厚みの違うものを試して、足の裏がしっかりつく範囲でいちばん高いものを選んでください。
手すりは工事のほうが向くことが多い
トイレは狭いので、床置きの手すりを入れると通れなくなることがあります。壁に固定する手すりのほうが場所を取らず、体重をしっかり支えられます。 これは住宅改修の対象です。
位置は、便座に座った状態から前方の横。立ち上がるときに引き寄せる力が入る場所です。実際に座って、手を伸ばして決めてください。
ポータブルトイレを使うことは後退ではない
夜間だけポータブルトイレを使い、日中はトイレまで歩く。この使い分けは、転倒を防ぎながら歩く機会も残す、理にかなった組み合わせです。
後始末を誰が担うのかを先に決めてください。 続けられるかどうかは、そこで決まります。凝固剤で固めるもの、ラップで密封するもの、水洗できるものと、後始末の楽さで選べます。
出典
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センター 尿もれの治療や対処について 2026-08-22 確認
- 国土交通省 バリアフリー 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
関連する記事
- 腰掛便座の選び方、ポータブルトイレと補高便座腰掛便座に含まれる4つの型の違い、ポータブルトイレの置き場所と後始末、補高便座で立ち上がりが変わる理由を説明します。
- 排泄の困りごとから考える間に合わない、立てない、後始末が大変といった排泄の困りごとを分けて、それぞれの手立てを説明します。
- 住宅改修と福祉用具の使い分け手すりを付けるとき、工事をするか置き型の用具を借りるかで制度が変わります。住宅改修の20万円の枠、対象工事、選び分けの考え方を説明します。
- 寝室を整える寝室での起き上がり、立ち上がり、夜間の移動を支える用具の組み合わせと、置き場所の決め方を説明します。
- 浴室で転ばないために浴室での立ち座り、またぎ、床の滑りに対する用具の組み合わせと、冬場の温度差への備えを説明します。
- 玄関の出入りを楽にする上がりかまちの段差、靴の履き替え、車いすでの出入りに対する用具と住宅改修の使い分けを説明します。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
地域から事業所を探す
福祉用具を借りるには、指定を受けた事業所と契約します。 お住まいの地域から探せます。
都道府県の一覧へ