腰掛便座の選び方、ポータブルトイレと補高便座
腰掛便座という名前からはわかりにくいのですが、この品目にはポータブルトイレと補高便座という、まったく用途の違うものが同居しています。トイレまで間に合わないのか、便座から立ち上がれないのか。困っている中身によって選ぶものが変わります。
4つの型が同じ品目に入っている
和式便器の上に置いて腰掛式にするもの、洋式便器の上に置いて座面を高くするもの、電動やばねの力で立ち上がりを助けるもの、そして居室に置くポータブルトイレの4つです。
困っている中身がそれぞれ違うので、同じ品目に入っていても選び方は共通しません。しゃがめないのか、立てないのか、間に合わないのか。 そこを分けてから型を選びます。
補高便座は数センチで変わる
座面が低いと、立ち上がるときに膝と腰に大きな力が要ります。便座の上に敷いて数センチ高くするだけで、立ち上がれるようになる人がいます。
高くしすぎると足が床に届かなくなり、踏ん張れず、かえって不安定になります。 厚みの違うものを試して、足の裏が床にしっかりつく範囲でいちばん高いものを選ぶのがこつです。
ポータブルトイレは置き場所から考える
ベッドから何歩で届くか、立ち上がって向きを変えられるか、手すりや家具につかまれるかを見ます。ベッドの足元ではなく、起き上がって座る側の脇に置くと、移る距離がいちばん短くなります。
においと後始末が続けられるかも大事です。バケツを洗う人が誰なのか、その人がどれだけの頻度で来られるのかによって、選ぶ型が変わります。凝固剤で固めて袋ごと捨てられるもの、ラップで密封するもの、水洗できるものがあります。
家具調で木製のふたが付いたものなら、使っていないときに居室の雰囲気を壊しません。 本人が置くことを嫌がる場合、この点が受け入れやすさを左右します。
買う品目なので試してから決める
腰掛便座は特定福祉用具販売の対象で、年間10万円の枠から出ます。同じ年度に同じ種目をもう一度買うことは原則として認められません。
事業所によっては、数日試せるようにしてくれることがあります。高さが合うか、においが気にならないか、後始末ができるかを確かめてから決めてください。
立ち上がるときに、どこを支えるか
便座から立つ動作は、膝と腰にいちばん力が要る動きの一つです。
手すりの付いた型なら、前へ体を運びながら立てます。 壁に手すりを付ける方法もありますが、そちらは住宅改修の枠になります。
どちらで手当てするかで、使う枠が変わります。 買う枠と工事の枠は別なので、両方を並べて考えてください。
高さは、便座ではなく足で決まる
腰かけたときに、足の裏が床にしっかりつくかどうかが目安です。膝がおおむね直角か、それより少し伸びている状態。
高すぎると足が浮いて踏ん張れません。低すぎると膝と腰に力が集中します。 どちらも立てなくなる原因です。
補高便座は数センチの調整です。 その数センチで立てるようになる人がいます。
工事という別の道
便座そのものを替えるのではなく、壁に手すりを付ける、床を直すという手立てがあります。
工事なら住宅改修の枠を使います。生涯で20万円までという別の枠です。
買うより工事のほうが向く場面があります。 置く物を増やさずに済み、通り道もふさぎません。
使わなくなったときの処分
買ったものなので、処分は自分で行います。
自治体によって粗大ごみの扱いが違います。運び出しを自分でしなければならない場合があります。
このサイトの市区町村ページから、地域の相談先をたどれます。 買い替えるときも、同じ事業所に相談すると経緯が伝わります。
夜だけポータブルトイレを使いたいのですが。
実際に多い使い方です。日中はトイレまで歩き、夜間だけ居室で使うことで、転倒の危険が減ります。使う場面を相談員に伝えれば、それに合った型を提案してもらえます。
処分はどうしますか。
買ったものなので自分で処分します。多くの自治体で粗大ごみの扱いです。使わなくなる時期が読めるなら、あらかじめ確かめておいてください。
出典
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- 国立長寿医療研究センター 尿もれの治療や対処について 2026-08-22 確認
- 消費者庁 みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
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