腰掛便座(ポータブルトイレなど)

トイレまで間に合わない、和式で立ち座りがつらいといったときに使う、座る形の便座です。

腰掛便座(ポータブルトイレなど)が要るのはこんなとき

夜中にトイレまで歩くのが間に合わない、あるいは廊下で転びそうだ、というときに、寝室に置くのがポータブルトイレです。距離を短くするだけで、失敗と転倒の両方が減ります。

和式の便器しかない家で、しゃがむのが難しくなったときは、上に置いて洋式にする型を使います。工事をせずに解決できます。

洋式でも座面が低くて立ち上がれない、というときは、便座の上に重ねて高さを足す型があります。数センチ上げるだけで立てるようになる人は多くいます。

夜だけ寝室に置いて、日中はトイレまで歩く。この使い分けをしている家庭が多くあります。全部を置き換えるものではありません。歩ける時間帯は歩いたほうが、足の力が残ります。

借りるものか、買うものか

介護保険で買うもの(特定福祉用具販売)です。

制度の上での品目名は「腰掛便座」です。事業所のカタログやケアプランには この名前で載るので、見積書と突き合わせるときの手がかりになります。

使える要介護度

要支援1から要介護5まで、認定を受けていれば借りられます。

要介護度は市区町村の認定で決まります。今の区分が分からないときは、 介護保険被保険者証か、担当のケアマネジャーに確かめてください。

この品目に含まれるもの

告示で「腰掛便座」として扱われるのは、次のようなものです。 同じ名前で売られていても、この範囲から外れると介護保険は使えません。

  • ポータブルトイレ
  • 和式便器の上に置く腰掛便座
  • 補高便座
  • 立ち上がり補助便座

腰掛便座(ポータブルトイレなど)の料金の目安

買うときの額はおよそ1万円〜10万円(1割負担なら1,000円〜1万円)です。

特定福祉用具販売の枠は、4月から翌年3月までの1年で10万円です。この枠のなかで、かかった額の1割(所得により2割・3割)を払います。指定を受けた事業所から買わないと介護保険は使えません。

ここに書いた額は目安です。実際の額は機種と事業所によって変わり、負担の割合も所得によって1割・2割・3割と違います。契約の前に必ず見積もりで確かめてください。

腰掛便座(ポータブルトイレなど)を選ぶときに見るところ

「間に合わない」のか「立ち座りがつらい」のかで選ぶものが違う

トイレまで歩けるが立ち座りがつらい、という段階なら、いまの便器に補高便座を載せるだけで済みます。座面が数センチ上がるだけで、立ち上がりはずいぶんらくになります。

夜だけ間に合わない、という段階になってポータブルトイレが要ります。寝室のどこに置くか、そこまで何歩かを先に決めてから型を選びます。

におい対策を続けられるかで型を選ぶ

バケツを外して洗う型は安く手に入りますが、その作業が毎日続きます。使うたびに包んで捨てられる型や、自動で包む型もあります。

片付ける人が誰なのかを決めてから選びます。本人が自分で片付けるつもりなら、バケツの重さと持ちやすさが決め手になります。

見た目は思っているより効く

寝室に置く以上、家具に見えるかどうかは本人の気持ちに直に響きます。木製の椅子の形をしたものは、使わないときに便座を隠せます。

使うのを我慢して暗い廊下を歩き、転ぶくらいなら、置いてよかったと思える形を選ぶほうが結局は安全です。

買う前に、置く場所を決めておく

寝室に置くと、においと視界の問題が出ます。カーテンで仕切る、家具の陰に置く、ふたが閉まる型にする。置き方を先に決めてから、型を選んでください。

本人が「そんなものは要らない」と拒むことがあります。多くは見た目とにおいへの抵抗です。木目の家具に見える型もあるので、実物を見せてから話すと通ることがあります。

腰掛便座(ポータブルトイレなど)を使うときに気をつけること

肘掛けの無い型に横から座ろうとすると、便器ごと倒れます。体重をかけてもずれない置き方をして、必要なら手すりを近くに置きます。

においは、ふたを閉めることと、こまめに片づけることでほとんど収まります。消臭剤を足すより先に、置いてある時間を短くするほうが効きます。

重ねて高さを足す型は、固定していないとずれます。座るたびにずれるようなら、その型は合っていません。

置く場所を、本人の手が届く範囲にしてください。ベッドから2歩でも、その2歩でふらつきます。柵につかまったまま座れる位置に置くのが基本です。

介護保険を使わずに買うとき

ポータブルトイレは借りるものではなく買うものです。年間10万円の枠から1割を払います。指定を受けた事業所から買わないと介護保険が使えないので、通信販売で先に買ってしまわないでください。

要支援でも対象になります。使わなくなったあとの処分は自分ですることになるので、住んでいる市区町村の粗大ごみの扱いを買う前に調べておくと後で困りません。

払い方は、いったん全額を払ってあとから9割ぶんが戻る形が原則です。5万円のものなら、その場で5万円が要ります。市区町村に受領委任払いの登録を出している事業所から買えば最初から5千円で済むので、買う前に登録しているかを尋ねてください。

腰掛便座(ポータブルトイレなど)を使い終わったら

買ったものなので、要らなくなったら自分で捨てます。ポータブルトイレは大きいので、ほとんどの市区町村で粗大ごみです。手数料と申し込みの方法を先に調べておいてください。

汚物を受ける部分は、洗って乾かしてから出します。買った事業所が引き取ってくれることもあるので、捨てる前に一度聞いてみる値打ちがあります。

腰掛便座(ポータブルトイレなど)のよくある質問

ポータブルトイレは介護保険で借りられますか。

借りられません。肌に触れるものなので特定福祉用具販売の扱いになり、購入になります。年間10万円の枠から1割を払います。

いらなくなったらどう処分しますか。

買い取りなので事業所への返却はありません。多くの自治体では粗大ごみとして出せますが、方法は市区町村で違うので担当課に確かめてください。

和式トイレのままでも使えますか。

和式便器の上に置く腰掛便座があります。工事をせずに洋式のように座れるので、住宅改修に踏み切る前の選択肢になります。

においが気になります。どうすればよいですか。

ふたを閉めることと、こまめに片付けることでほとんど収まります。消臭剤を足すより、汚物を置いておく時間を短くするほうが効きます。

要支援でも介護保険で買えますか。

買えます。腰掛便座は、軽い認定の人への制限がかからない品目です。ただし買う前にケアマネジャーへ相談し、指定を受けた事業所から買う必要があります。

腰掛便座(ポータブルトイレなど)と一緒に使うことが多い品目

この品目の解説

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