特定福祉用具販売の年間10万円の枠
入浴用のいすやポータブルトイレを介護保険で買うとき、使える金額は同じ年度のうち10万円までです。この枠は月々のサービスの枠とは別で、使い方にいくつか押さえておきたい決まりがあります。
4月1日から翌年3月31日までで10万円
枠は年度で区切られます。4月1日から翌年3月31日までに買った特定福祉用具の合計額が10万円までなら、そのうち9割などが戻ります。
繰り越しはできません。 使わなかった枠が翌年度に足されることはなく、4月1日にまた10万円分が立ち上がります。逆にいえば、3月に買うか4月まで待つかで、使える枠が変わります。
10万円を超える買い物をした場合、超えた分は全額自己負担です。12万円の用具を買えば、10万円までが対象になり、残りの2万円は自分で払います。
同じ品目を2回買うには理由が要る
原則として、同じ種目の用具を重ねて買うことはできません。入浴用いすを買った人が、同じ年度にもう一つ入浴用いすを買っても対象になりにくいということです。
ただし例外があります。 壊れて使えなくなった場合、体の状態が変わって前のものが合わなくなった場合、家族の人数など事情が変わって複数必要になった場合には、認められることがあります。判断は市町村が個別に行うので、買う前に相談してください。
| 場面 | 扱い |
|---|---|
| 同じ年度に同じ種目をもう一つ | 原則として対象外 |
| 壊れて使えなくなった | 認められることがある |
| 体の状態が変わって合わなくなった | 認められることがある |
| 年度が変わってから買い替え | 新しい枠で対象になりうる |
| 10万円を超える買い物 | 超えた分は全額自己負担 |
枠の使い方の順序
年度の初めに、その年に必要になりそうな用具を見通しておくと無駄が出ません。退院が決まっている、冬に向けて入浴が難しくなりそうといった見込みがあるなら、ケアマネジャーと相談して順序を決めます。
選択制の対象になった歩行器や杖を買う場合も、この10万円の枠から引かれます。歩行器を買ったあとに入浴用いすが必要になると、枠が足りなくなることがあります。
買う前に確かめること
まず、その事業所が指定を受けた特定福祉用具販売事業所かどうかです。指定を受けていない店で買ったものは、同じ商品でも対象になりません。ホームセンターや通販で買ってしまってから気づく例があります。
次に、ケアプランに位置づけられているかどうか。事前にケアマネジャーへ伝えておかないと、あとで手続きが止まります。
介護保険を使わずに買ったものは、あとから申請できますか。
指定を受けた事業所から買ったもので、要件を満たしていれば申請できることがあります。ただし市町村によって扱いが違うので、買う前に確かめるのが確実です。
10万円の枠は世帯で1つですか。
1人につき1つです。夫婦それぞれが認定を受けていれば、それぞれに10万円の枠があります。
出典
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- 厚生労働省 サービスにかかる利用料(介護サービス情報公表システム) 2026-08-22 確認
- デジタル庁 e-Gov法令検索 介護保険法施行規則(平成十一年厚生省令第三十六号) 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
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