特定福祉用具販売の年間10万円の枠

介護保険とお金 / 2026-08-22 公開 / 2026-08-25 更新 / 約1,800字

入浴用のいすやポータブルトイレを介護保険で買うとき、使える金額は同じ年度のうち10万円までです。この枠は月々のサービスの枠とは別で、使い方にいくつか押さえておきたい決まりがあります。

4月1日から翌年3月31日までで10万円

枠は年度で区切られます。4月1日から翌年3月31日までに買った特定福祉用具の合計額が10万円までなら、そのうち9割などが戻ります。

繰り越しはできません。 使わなかった枠が翌年度に足されることはなく、4月1日にまた10万円分が立ち上がります。逆にいえば、3月に買うか4月まで待つかで、使える枠が変わります。

10万円を超える買い物をした場合、超えた分は全額自己負担です。12万円の用具を買えば、10万円までが対象になり、残りの2万円は自分で払います。

同じ品目を2回買うには理由が要る

原則として、同じ種目の用具を重ねて買うことはできません。入浴用いすを買った人が、同じ年度にもう一つ入浴用いすを買っても対象になりにくいということです。

ただし例外があります。 壊れて使えなくなった場合、体の状態が変わって前のものが合わなくなった場合、家族の人数など事情が変わって複数必要になった場合には、認められることがあります。判断は市町村が個別に行うので、買う前に相談してください。

場面扱い
同じ年度に同じ種目をもう一つ原則として対象外
壊れて使えなくなった認められることがある
体の状態が変わって合わなくなった認められることがある
年度が変わってから買い替え新しい枠で対象になりうる
10万円を超える買い物超えた分は全額自己負担

枠の使い方の順序

年度の初めに、その年に必要になりそうな用具を見通しておくと無駄が出ません。退院が決まっている、冬に向けて入浴が難しくなりそうといった見込みがあるなら、ケアマネジャーと相談して順序を決めます。

選択制の対象になった歩行器や杖を買う場合も、この10万円の枠から引かれます。歩行器を買ったあとに入浴用いすが必要になると、枠が足りなくなることがあります。

買う前に確かめること

まず、その事業所が指定を受けた特定福祉用具販売事業所かどうかです。指定を受けていない店で買ったものは、同じ商品でも対象になりません。ホームセンターや通販で買ってしまってから気づく例があります。

次に、ケアプランに位置づけられているかどうか。事前にケアマネジャーへ伝えておかないと、あとで手続きが止まります。

年度をまたぐ買い方

枠は4月1日から翌年3月31日で数えます。3月に買うか4月に買うかで、使う枠が変わります。

その年度にすでに大きく使っているなら、急がないものは4月まで待つという考え方が成り立ちます。

ただし、待っている間に転ぶくらいなら、待たないでください。 枠の都合より、安全のほうが先です。

枠は一人ごと

枠は本人ごとに決まっています。夫婦それぞれが認定を受けていれば、それぞれに枠があります。

一方の枠を、もう一方に回すことはできません。 家族で分け合う形にはなっていません。

二人で使う用具でも、どちらの名義で買うかを決めることになります。 主に使う人の枠から出すのが基本です。

使い切れなかった分は繰り越せない

年度が変わると、残っていた分は消えます。 翌年度に足されるわけではありません。

だからといって、使い切るために要らないものを買う必要はありません。 買った用具は家に残ります。

その年度に何を買う予定があるかを、年の初めに並べておく。 順番が決まると、枠の使い方も決まります。

引っ越したときの扱い

市区町村が変わると保険者も変わります。枠の数え方をどう引き継ぐかは、市区町村に確かめてください。

転入先で申請するときに、前の市区町村で何を買ったかを聞かれることがあります。 領収書と申請の控えを残しておいてください。

手続きの窓口は、転出と転入の両方です。 片方だけでは終わりません。

介護保険を使わずに買ったものは、あとから申請できますか。

指定を受けた事業所から買ったもので、要件を満たしていれば申請できることがあります。ただし市町村によって扱いが違うので、買う前に確かめるのが確実です。

10万円の枠は世帯で1つですか。

1人につき1つです。夫婦それぞれが認定を受けていれば、それぞれに10万円の枠があります。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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