2024年4月から始まった借りるか買うかの選択制

福祉用具のきほん / 2026-08-22 更新 / 約1,300字

2024年4月の介護報酬改定で、一部の福祉用具について借りるか買うかを選べるしくみが始まりました。選べる範囲は思ったより狭く、同じ「歩行器」でも対象になるものとならないものがあります。どこまでが対象なのかを先に押さえておきます。

対象は4つ、しかもその一部だけ

選択制の対象になったのは、固定用スロープ歩行器のうち歩行車を除くもの、単点杖のうち松葉づえを除くもの、多点杖の4つです。比較的値段が安く、使う期間が長くなりやすいものが選ばれています。

注意したいのは、同じ品目のなかで対象と対象外が分かれる点です。 車輪の付いた歩行車は選択制の対象ではなく、これまでどおり借りるものです。松葉づえも対象外です。名前だけで判断せず、その商品が対象かどうかを事業所に確かめてください。

品目選択制の対象対象外
スロープ段差解消のための固定用スロープ可搬型スロープ
歩行器固定型・交互型の歩行器車輪の付いた歩行車
歩行補助つえ単点杖(松葉づえを除く)、多点杖松葉づえ、ロフストランド・クラッチなど

決めるのは利用者だが、判断の材料は専門職が出す

最終的に借りるか買うかを決めるのは利用者本人です。ただし、判断の材料をそろえるのは福祉用具専門相談員ケアマネジャーの役目とされています。

説明を受ける内容は決まっています。借りた場合と買った場合それぞれの費用がどうなるか、体の状態が変わる見込みがあるか、保守や点検がどう変わるか、といった点です。この説明を受けずに決めさせられたなら、それは手順を踏んでいません。

医師や理学療法士の意見が必要と判断される場合には、その意見を踏まえて提案することも求められています。短期間で状態が変わりそうな人に買うことを勧めるのは適切ではない、という考え方が背景にあります。

借りるほうを選ぶと、その後の点検が付いてくる

借りることを選んだ場合、事業所は定期的にモニタリングを行い、体に合っているかを確かめます。杖のゴムが減っていれば替えますし、歩行器の高さが合わなくなっていれば直します。

買うことを選んだ場合、事業所は購入後の使用状況を確かめる責務を負いますが、その後の消耗品の交換や修理は自己負担です。杖の先ゴムのように定期的に替えるものがある品目では、この差を見込んでおいてください。

どちらを選ぶかの目安

判断の軸は二つです。これから体の状態が変わりそうかどうかと、どのくらいの期間使いそうか。 退院直後やリハビリの途中なら借りるほうが無難で、状態が落ち着いていて何年も同じ杖を使いそうなら買うほうが合計額は小さくなります。

迷うときは、まず借りて使ってみてから買いに切り替えるという順序が取れます。逆の順序は取れないので、迷っているうちは借りるほうから始めるのが安全です。

買ったあとで体が変わったら、借りるほうに戻せますか。

同じ品目を今度は借りることは、必要な理由が説明できれば可能です。ただし買った費用は戻りません。年度10万円の販売の枠も使ったままになります。

選択制で買った場合も、10万円の枠から引かれますか。

引かれます。特定福祉用具販売として扱われるので、同じ年度のうちに入浴用いすなどを買う予定があるなら、枠の残りを見ながら決めてください。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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