福祉用具専門相談員とは
福祉用具を借りるとき、家に来て体に合わせて調整してくれる人がいます。福祉用具専門相談員という資格を持った人で、法律で事業所に置くことが決められています。この人に何をどこまで頼めるのかを知っておくと、用具の使い心地がずいぶん変わります。
事業所に2人以上いることが決められている
指定を受けた福祉用具貸与事業所と特定福祉用具販売事業所には、福祉用具専門相談員を常勤換算で2人以上置くことが義務づけられています。人数が足りなければ指定が取れないので、どの事業所に頼んでも必ずこの資格を持った人が対応します。
資格は、都道府県が指定する50時間の講習を修了して得るものが基本です。介護福祉士、看護師、理学療法士、作業療法士、保健師、准看護師、社会福祉士、義肢装具士の資格を持っている人は、講習を受けなくても相談員として働けます。
同じ資格でも、背景にある専門はかなり違います。 理学療法士の資格を持つ相談員は体の動かし方から見ますし、建築の経験がある相談員は住まいの造りから考えます。困っていることの性質によって、相性のよい相談員が変わってきます。
家に来て、体と家の両方を見る
相談員の仕事は、カタログから商品を選ぶことではありません。実際に家へ行き、廊下の幅、段差の高さ、ベッドを置く部屋の広さ、トイレまでの距離を測り、そのうえで本人に動いてもらって、どこでつまずいているのかを見ます。
たとえば「立ち上がれない」という相談でも、原因はいろいろです。ベッドが低すぎるのか、握るところがないのか、足が前に出ないのか。原因が違えば必要な道具も変わるので、この見立てが用具選びの中心になります。
見立てのあと、複数の商品を示して比べられるようにすることも仕事のうちです。1つだけ持ってきて「これです」と置いていくのは、本来の進め方ではありません。
搬入したあとも関わり続ける
用具を届けたら終わりではなく、その後も定期的に訪ねて、体に合っているかを確かめます。少なくとも半年に1回のモニタリングが決められていて、記録を残してケアマネジャーに伝えることになっています。
使ってみて出てきた困りごとは、この機会に伝えてください。ベッドの高さを2センチ下げるだけで立ち上がりやすくなることもありますし、車いすのクッションを替えるだけでお尻の痛みが引くこともあります。細かい調整こそ相談員の得意分野です。
相談するときに伝えると話が早いこと
商品名を調べていく必要はありません。かわりに、いつ、どこで、何をしようとして、どう困ったかを具体的に話してください。「朝、ベッドから起きて トイレに行くまでに、廊下の途中で一度座り込む」というくらいの粒度が役に立ちます。
家族が介助していて、腰が痛い、抱え上げるのが怖いといったことも伝えてかまいません。介助する側の負担が続かなければ在宅の暮らしは続かないので、そこを踏まえた提案が出てきます。
資格の中身
福祉用具専門相談員は、決められた講習を修了した人が名乗れます。看護師、介護福祉士、理学療法士などの資格を持つ人も、この立場で関わります。
扱うのは道具ですが、見ているのは体と暮らしのほうです。 体の動き、家の間取り、介助する人の力。この三つを合わせて考えます。
道具に詳しいことと、暮らしを見られることは別の力です。 商品の説明ばかりで、家の中を見ようとしない相談員なら、替える理由になります。
売る人でもある、という立場
相談員は事業所の職員です。用具を貸すことが、その事業所の売上になります。
だから複数の商品を示すことが決められています。一つしか出てこないときは、ほかの選択肢を尋ねてください。
減らす提案をしてくれるかどうかが、見きわめの材料になります。 要らなくなったものを返しましょうと言える相談員は、信用できます。
相性が合わないと感じたとき
担当を替えてもらうことも、事業所ごと替えることもできます。借りている用具はそのまま引き継げる場合が多くあります。
言いにくいときは、ケアマネジャーに伝えてください。間に入ってもらえます。 直接言う必要はありません。
このサイトの市区町村ページで、地域のほかの事業所を探せます。 替える先を決めてから動くと、空白の日ができません。
リハビリ職や医療職との間に立つ
理学療法士や作業療法士が関わっている場合、その見立てを用具に落とすのが相談員の仕事です。
訪問看護が入っているなら、床ずれや排泄の状態が共有されます。マットレスの硬さや体位変換器の選び方は、その情報がないと決まりません。
関わっている職種を、相談員に伝えてください。 つながっていないまま、それぞれが別のことを言う状態がいちばん困ります。
相談員を替えてもらうことはできますか。
できます。事業所に伝えれば別の担当者に替わりますし、事業所そのものを替えることもできます。言いにくければケアマネジャーを通してください。
相談だけして借りないという使い方はできますか。
できます。話を聞いた結果、住宅改修のほうが向いていたり、そもそも用具が要らなかったりすることもあります。無理に借りる必要はありません。
出典
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- 厚生労働省 用語の解説(介護サービス情報公表システム) 2026-08-22 確認
- テクノエイド協会 調査研究事業 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
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