歩行補助つえのレンタル、T字杖が対象外である理由

品目ごとの解説 / 2026-08-22 公開 / 2026-08-25 更新 / 約1,600字

杖は身近な道具ですが、介護保険で扱えるものは限られています。よく見かけるT字型の一本杖は対象になりません。何が対象で何が対象外か、そしてなぜそう分かれているのかを知っておくと、無駄な手間が省けます。

対象になるのは5種類

介護保険で扱う歩行補助つえは、松葉づえ、カナディアン・クラッチ、ロフストランド・クラッチ、多点杖、プラットホームクラッチの5つです。

ホームセンターで売られているT字型の一本杖は含まれません。 支える力が限られ、値段も手ごろで、介護保険を通さなくても手に入るためです。必要なら自分で買うことになります。

種類支える場所向いている場面
松葉づえわきの下と手片脚に体重をかけられない
ロフストランド・クラッチ前腕と手手首だけでは支えきれない
カナディアン・クラッチ上腕と手長く使う、握力が弱い
多点杖手(接地点が3〜4点)立つときの安定が欲しい
プラットホームクラッチ前腕を面で乗せる手や手首が痛くて握れない

多点杖は安定するが、場所を選ぶ

多点杖は、先が3つや4つに分かれていて、床に着いたまま自立します。立ち上がるときに支えとして使えるのが利点です。

ただし、接地点がすべて床に着いていないと不安定になります。 傾いた道、砂利道、階段では、かえって危険です。屋内や平らな歩道向きの道具だと考えてください。

長さの合わせ方

杖の長さは、まっすぐ立って腕を下ろしたときの手首の高さが目安です。もう一つの測り方として、足の小指の先から前へ15センチ、外へ15センチ離した位置に杖を立て、肘が30度ほど曲がる長さという方法もあります。

長すぎる杖は肩を上げさせ、短すぎる杖は前かがみにさせます。 どちらも転びやすくなるので、借りた日に調整してもらってください。

選択制と費用

2024年4月から、松葉づえを除く単点杖と多点杖は、借りるか買うかを選べるようになりました。松葉づえは対象外で、これまでどおり借りるものです。

1割負担でおよそ50円から200円が目安です。品目のなかでいちばん安く、要介護度の制限もありません。

杖の先のゴムはすり減ります。借りていれば交換してもらえますが、買った場合は自分で替えることになります。すり減ったゴムは滑ります。

松葉杖と、腕で支える杖の違い

松葉杖は脇の下と手で支えます。脇に体重をかけ続けると、神経を痛めることがあります。 支えるのは手のほうです。

前腕を輪に通して支える型は、手を離しても杖が落ちません。 扉を開ける、物を取るといった動作がしやすくなります。

どちらも介護保険で借りられます。 使う期間が短くても、買わずに借りられる品目です。

持つ側を間違えない

片側が弱いとき、杖は弱いほうの反対の手で持ちます。 弱い足と杖が同時に前へ出る形になります。

弱い側で持つと、支えたい側に支えがない状態になります。ここを逆にしている人が少なくありません。

リハビリ職か相談員に、一度見てもらってください。 持ち方が変わるだけで歩きやすくなることがあります。

先ゴムは消耗品

すり減った先ゴムは滑ります。濡れた床で、そのまま転びます。

見るのは、溝が残っているかどうかです。平らになっていたら替える時期です。

借りている杖なら、事業所に連絡すれば替えてもらえます。 自分で買った杖は、交換用が手に入る製品かどうかを確かめてください。

両手で支える形へ移る目安

杖は片手で体重の一部を受ける道具です。受けられる量には限りがあります。

ふらつきが大きくなったら、歩行器や歩行車のほうが安定します。 移るのは後退ではありません。

転ばずに歩ける距離を延ばすための持ち替えです。 見た目を気にして杖にこだわると、転倒につながります。

この記事にかかわる品目

片手で体を支えて歩くための杖です。介護保険で扱うのは支点が複数あるものなどに限られます。

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出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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