車いすのレンタル、種類と体に合わせる要点
車いすは、座って移動するための道具であると同時に、1日の多くを過ごすいすでもあります。体に合っていない車いすに長く座ると、姿勢が崩れ、お尻が痛くなり、かえって動けなくなります。選ぶときに見るところは、値段より寸法です。
自走用、介助用、電動の三つに分かれる
自走用は後輪が大きく、外側のハンドリムを自分で回して進みます。腕の力が残っている人向けです。介助用は後輪が小さく、押してもらう前提の造りで、そのぶん軽く、折りたたむと小さくなります。
電動車いすには、レバーで操作する普通型と、ハンドルを握って進むハンドル形があります。ハンドル形はシニアカーとも呼ばれ、道路交通法では歩行者として扱われます。歩行者である以上、歩道を通り、時速6キロを超えない造りになっています。
| 種類 | 向いている人 | 重さの目安 |
|---|---|---|
| 自走用標準型 | 腕でこげる人 | およそ13〜16kg |
| 介助用標準型 | 押してもらう人 | およそ10〜13kg |
| 普通型電動 | 腕の力が弱く、屋内外を自分で移動したい人 | およそ30〜80kg |
| ハンドル形電動 | 歩行は難しいが判断力と視力が保たれている人 | およそ80〜120kg |
寸法が合っていないと座り続けられない
座幅は、お尻の左右の幅に2センチから3センチほど足したくらいが目安です。広すぎると体が横に流れて姿勢が崩れ、狭すぎると太ももが当たって痛みます。
座面の奥行きは、膝の裏に指が2、3本入る程度を残します。奥行きが深すぎると膝の裏が圧迫され、浅すぎると太ももが支えられず前へずり落ちます。足を乗せる台の高さも、床から膝までの長さに合わせて調整します。
調整できる幅は商品によって違います。細かく合わせたいなら、寸法を変えられるモジュール型を選ぶことになります。
1割負担の月額はおよそ300円から800円
標準的な車いすなら、1割負担でおよそ300円から800円が目安です。ティルトやリクライニングの付いたものはこれより高くなります。電動車いすは月2,000円を超えることもあります。
車いす単体では、体に合わないことがほとんどです。 クッションを付けて初めて座り心地が整うので、車いす付属品と合わせて考えてください。付属品も貸与の対象です。
要介護2以上が原則
車いすは軽度者への貸与制限がかかる品目です。要支援1・2と要介護1の人は原則として借りられません。
例外として認められるのは、日常的に歩行が困難な場合や、日常生活の範囲における移動の支援が特に必要と認められる場合です。外出のときだけ歩けなくなる、というような状態でも認められることがあります。 諦める前にケアマネジャーに確かめてください。
事故は決まった場面で起きている
報告されている事故で多いのは、ブレーキをかけずに移乗しようとして車いすが動く、坂道で手が離れて走り出す、足がフットサポートから落ちて巻き込む、といったものです。
電動車いすでは、踏切内での立ち往生、用水路への転落、段差での転倒が繰り返し起きています。操作を覚えたあとしばらく経ってから起きる事故が多いので、慣れた頃こそ気をつけてください。
外出のときだけ借りることはできますか。
月単位の貸与になるので、使う日だけ借りるという契約は一般的ではありません。ただし短期間だけ必要な場合は、事業所によって相談に応じることがあります。
体に合わせて作ってもらえますか。
介護保険の貸与では既製品が基本です。既製品では合わない場合は、障害福祉制度の補装具として作る道があります。医師や理学療法士の意見が判断の材料になります。
出典
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- 製品評価技術基盤機構(NITE) 高齢者の事故防止~電動車いすの利用で気を付けたいこと~ 2026-08-22 確認
- 警察庁 電動車いすの安全利用について 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
関連する記事
- 車いす付属品のレンタル、クッションと姿勢車いすクッションの種類と選び方、テーブルや電動補助装置など付属品の役割、単独では借りられない決まりを説明します。
- 要支援・要介護1でも借りられる福祉用具と、例外の道軽度者への福祉用具貸与の制限について、対象になる品目、原則として借りられない理由、例外給付が認められる条件と手続きを説明します。
- 車への乗り降りを楽にする自家用車への移乗を助ける用具、車いすの積み込み、福祉車両との使い分けを説明します。
- 介護ベッドのレンタル、モーターの数と高さで選ぶ特殊寝台の2モーターと3モーターの違い、幅と高さの選び方、月額の目安、挟み込み事故の防ぎ方を説明します。
- 介護ベッドの付属品、マットレスと柵の選び方特殊寝台付属品に含まれるマットレス、サイドレール、介助バー、テーブルの選び方と、安全に使うための注意を説明します。
- 床ずれ防止用具のレンタル、エアマットの選び方床ずれ防止用具の種類、エアマットと静止型マットレスの使い分け、停電時の備え、費用の目安を説明します。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
地域から事業所を探す
福祉用具を借りるには、指定を受けた事業所と契約します。 お住まいの地域から探せます。
都道府県の一覧へ