認知症のある人と福祉用具
認知症があると、用具を使い方どおりに使ってもらえないことがあります。危ないから囲う、動けないようにする。その方向に進みかけたときこそ、いったん立ち止まる必要があります。
覚えなくても使えるものを選ぶ
手順が多い用具、電源を入れる操作が要る用具は、覚えていることが前提になります。握れば支えになる手すりのように、考えなくても使えるものが向きます。
いつも同じ場所に置く、色をはっきりさせる、使わないものは片づける。環境の側を単純にするほうが確実です。
囲うことは身体拘束になりうる
ベッドの四方を柵で囲んで降りられなくすることは、身体拘束にあたる場合があります。動けなくすれば安全になるように見えて、筋力も意欲も落ちていきます。
降りる側を一か所だけ開けておき、そこに介助バーを置く。 この形なら、自分で降りられて、反対側からの転落は防げます。まず考えるべきはこの組み立てです。
| 心配なこと | 囲わない手立て |
|---|---|
| ベッドから落ちる | 超低床タイプ、片側だけ柵、床にマット |
| 夜に起き出す | 離床センサー、足元灯、日中の活動量 |
| 外に出てしまう | 外出を知らせる機器、玄関の工夫 |
| 車いすから立つ | なぜ立つのかを探す、座り心地の見直し |
| 用具を勝手に動かす | 固定する、置き場所を決める |
見守り機器は家族のための道具
外出を知らせる機器や離床センサーは、本人を縛るためのものではなく、家族が眠れるようにするための道具です。気づける仕組みがあることで、囲わずに済みます。
本人には、なぜ付けているのかを繰り返し伝えてください。分からないから説明しなくてよい、とはなりません。
行動には理由がある
夜に起き出すのはトイレかもしれません。外に出るのは、どこかへ行こうとしているのかもしれません。立ち上がるのは、座り心地が悪いのかもしれません。
行動を止める前に、理由を探してください。 理由が分かれば、用具で解ける場合があります。ポータブルトイレを置く、クッションを替える。それで収まることがあります。
環境を急に変えない
一度に多くの用具を入れると、混乱します。
家具の位置を変える、部屋の使い方を変える。 これも同じです。
一つずつ、慣れてから次へ。 早く整えたい気持ちが、かえって暮らしを崩します。
本人の役割を残す
危ないからとすべてを取り上げると、できることが早く失われます。
洗濯物をたたむ、皿を拭く。続けられる仕事を残してください。
用具は、役割を続けるために使うものです。 取り上げるための道具ではありません。
夜の混乱
夕方から夜にかけて、落ち着かなくなることがあります。
暗さ、疲れ、昼寝のしすぎ。きっかけがあることが多い。 昼の過ごし方を見直すと変わります。
足元の明かりを付けておくだけで、起きたときの混乱が減ります。
家族が休む
目を離せない状態が続くと、介護している人が先に倒れます。
通いのサービス、短期の入所。離れる時間をつくることは、必要な手当てです。
このサイトの市区町村ページから、地域のサービスをたどれます。 何があるかを知っておいてください。
出典
- 厚生労働省 高齢者虐待防止 2026-08-22 確認
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- 国民生活センター 高齢者の消費者被害 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
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