認知症のある人と福祉用具

体の状態から考える / 2026-08-22 公開 / 約1,300字

認知症があると、用具を使い方どおりに使ってもらえないことがあります。危ないから囲う、動けないようにする。その方向に進みかけたときこそ、いったん立ち止まる必要があります。

覚えなくても使えるものを選ぶ

手順が多い用具、電源を入れる操作が要る用具は、覚えていることが前提になります。握れば支えになる手すりのように、考えなくても使えるものが向きます。

いつも同じ場所に置く、色をはっきりさせる、使わないものは片づける。環境の側を単純にするほうが確実です。

囲うことは身体拘束になりうる

ベッドの四方を柵で囲んで降りられなくすることは、身体拘束にあたる場合があります。動けなくすれば安全になるように見えて、筋力も意欲も落ちていきます。

降りる側を一か所だけ開けておき、そこに介助バーを置く。 この形なら、自分で降りられて、反対側からの転落は防げます。まず考えるべきはこの組み立てです。

心配なこと囲わない手立て
ベッドから落ちる超低床タイプ、片側だけ柵、床にマット
夜に起き出す離床センサー、足元灯、日中の活動量
外に出てしまう外出を知らせる機器、玄関の工夫
車いすから立つなぜ立つのかを探す、座り心地の見直し
用具を勝手に動かす固定する、置き場所を決める

見守り機器は家族のための道具

外出を知らせる機器や離床センサーは、本人を縛るためのものではなく、家族が眠れるようにするための道具です。気づける仕組みがあることで、囲わずに済みます。

本人には、なぜ付けているのかを繰り返し伝えてください。分からないから説明しなくてよい、とはなりません。

行動には理由がある

夜に起き出すのはトイレかもしれません。外に出るのは、どこかへ行こうとしているのかもしれません。立ち上がるのは、座り心地が悪いのかもしれません。

行動を止める前に、理由を探してください。 理由が分かれば、用具で解ける場合があります。ポータブルトイレを置く、クッションを替える。それで収まることがあります。

介護に行き詰まったら、地域包括支援センターに相談してください。抱え込むと虐待につながることがあります。

環境を急に変えない

一度に多くの用具を入れると、混乱します。

家具の位置を変える、部屋の使い方を変える。 これも同じです。

一つずつ、慣れてから次へ。 早く整えたい気持ちが、かえって暮らしを崩します。

本人の役割を残す

危ないからとすべてを取り上げると、できることが早く失われます。

洗濯物をたたむ、皿を拭く。続けられる仕事を残してください。

用具は、役割を続けるために使うものです。 取り上げるための道具ではありません。

夜の混乱

夕方から夜にかけて、落ち着かなくなることがあります。

暗さ、疲れ、昼寝のしすぎ。きっかけがあることが多い。 昼の過ごし方を見直すと変わります。

足元の明かりを付けておくだけで、起きたときの混乱が減ります。

家族が休む

目を離せない状態が続くと、介護している人が先に倒れます。

通いのサービス、短期の入所。離れる時間をつくることは、必要な手当てです。

このサイトの市区町村ページから、地域のサービスをたどれます。 何があるかを知っておいてください。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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