車いすを数日だけ使いたいとき、旅行や法事のための借り方

選び方と使い方 / 2026-08-23 公開 / 約2,500字

介護保険で借りる車いすは月を単位に数えるので、二泊三日のために手続きを踏むのは向いていません。数日だけ、という要り方には別の道があります。どこに頼めばよいかを知っていると、外出そのものをあきらめずに済みます。

数日だけ要る、という場面は珍しくない

普段は杖で家の中を歩けている人でも、長い距離になると足が持ちません。法事で半日立ち歩く、旅行で駅の構内を移動する、退院した直後の数週間だけ支えが要る。こうした要り方は、毎日使い続ける借り方とは性格が違います。

「普段は要らないから」と外出そのものをやめてしまうのが、いちばん惜しい判断です。出かける機会が減れば歩く量も減り、足はさらに弱ります。数日分だけを用意する方法があることを、先に知っておいてください。

短い期間の用意は、家族にとっても意味があります。付き添う側が押して歩けるなら、本人の疲れを待たずに行き先を決められます。行けるかどうかで迷う時間が、そのまま外出をやめる理由になります。

介護保険の貸与は、月をまたいで数える

介護保険で借りる場合、料金は月を単位に計算するのが基本です。ひと月のうち一日でも借りていれば、その月の分がかかる定めを置いている事業所が一般的です。契約書に書かれています。

手続きの側も軽くはありません。ケアマネジャーへの連絡、ケアプランへの位置づけ、貸与計画書の作成と、動く人の数が増えます。思い立った週末に間に合うとは限りません。

それでも、これから継続して使う見込みがあるなら、介護保険で借り始めるほうが結局は安く済みます。一度きりの外出なのか、これから続く暮らしの一部なのか。そこを先に見極めると、選ぶ道が決まります。

保険を使わずに、日数で借りる

介護保険を通さず、事業者と直接契約して借りる方法があります。認定を受けていなくても借りられ、一日単位や一週間単位で料金を決めている事業者が多くあります。

手続きは短く、ケアマネジャーを通す必要もありません。そのかわり費用は全額が自己負担です。限度額を使い切っている人にとっては、保険を使わないこと自体が身軽さになる場合もあります。

介護保険の貸与のような公定の価格はないので、金額は事業者が決めています。同じ地域でも、聞く先によって開きが出ます。 数軒に問い合わせて、条件をそろえて比べてください。

借りる先を、どこから探すか

福祉用具貸与の事業所の多くが、保険を使わない貸し出しも扱っています。介護保険の事業所として指定を受けているところなら、消毒と保守点検の体制が整っている前提で話ができます。

行き先の側で用意していることもあります。空港、大きな駅、観光の施設、宿泊先。現地で借りられるなら、運ぶ手間が丸ごと消えます。 出発前に電話で確かめておくのが確実です。

このサイトでは、お住まいの市区町村にある福祉用具貸与の事業所を一覧で見られます。 近い順に何軒か当たって、短い期間の取り扱いがあるかを聞いてください。断られても、その場で近隣を教えてもらえることがあります。

車と玄関を、借りる前に測る

短い期間の貸し出しで困るのは、たいてい寸法です。折りたたんだ車いすが車の荷室に入るか、玄関の幅を通るか、廊下で向きを変えられるか。借りてから気づくと、その日の予定が崩れます。

自走式か介助式かでも大きさが変わります。使う人が自分で車輪を回すのか、後ろから押してもらうのか。押してもらうだけなら、介助式のほうが横幅が狭く、持ち上げるときも軽くなります。

座る幅と足の位置も、体に合っている必要があります。合わない車いすに半日座ると、お尻が痛くなり、姿勢が崩れて余計に疲れます。 短い期間でも、身長と体格は必ず伝えてください。

外で使うと、家の中とは違うことが起きる

屋外は路面が傾いています。歩道は雨水を流すために横に傾けてあるので、手を離すと車いすはひとりでに進みます。平らな場所以外では、必ずブレーキをかけてから手を離してください。

段差と溝も家の中にはない障害です。前の小さな車輪は溝にはまります。前輪を浮かせて越える動きは、押す人が練習しておく必要があります。借りるときに実演してもらってください。

長く座ると、同じところに体重がかかり続けます。一時間に一度は座り直す、少し前かがみになる、立てる人は立つ。 半日の外出でも、これだけで痛みの出方が変わります。

返す日まで決めてから借りる

短い期間で借りると、返し忘れがそのまま延長の料金になります。取りに来てもらうのか、持ち込むのか、いつまでなのか。契約のときに日付で決めてください。

傷や汚れの扱いも先に聞いておく。 屋外で使えば泥はつきます。どこまでが通常の使用の範囲で、どこからが弁償になるのか。ここを聞いておくと、返すときにもめません。

使ってみて、これは続けて要る、と感じたときは、そのままケアマネジャーに伝えてください。続くと分かった時点で、介護保険の貸与に切り替えるほうが負担は軽くなります。 短い貸し出しは、その判断のための試用にもなります。

認定の申請をしてから結果が出るまでの間も、暫定のケアプランで貸与を始められる場合があります。急ぐときは、保険を使わない借り方と並べて、ケアマネジャーに両方を相談してください。

介護保険の認定を受けていなくても借りられますか。

保険を使わずに事業者と直接契約する形であれば、認定の有無は関係ありません。そのかわり費用は全額が自己負担になります。

一日だけの料金はどれくらいですか。

事業者が自由に決めているため、地域と事業者で幅があります。介護保険の貸与のような公定の価格はありません。何軒かに問い合わせて、同じ条件で比べてください。

旅行先まで運んでもらえますか。

配送に対応している事業者もありますが、送料が別にかかります。行き先の施設や宿泊先で借りられないかも、あわせて確かめてください。

数日だけ使ったあと、そのまま介護保険で借り続けられますか。

同じ事業所で切り替えられることが多くあります。ただし介護保険の貸与にはケアプランへの位置づけが要るので、ケアマネジャーへの連絡が先になります。

この記事にかかわる品目

自分で歩いて移動することが難しくなったときに借りる、座ったまま移動するための用具です。

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出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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