転ばないための組み合わせ
高齢者の転倒は、屋外より家のなかで多く起きています。しかも、慣れた場所で起きます。用具を1つ足すより、原因を見つけて手立てを組み合わせるほうが確実に減ります。
転ぶ場所は決まっている
家のなかで多いのは、居間、廊下、階段、玄関、浴室です。段差のない平らな床でつまずく転倒がかなりの割合を占めます。 何もないところで足が引っかかるのは、足が上がらなくなっているためです。
時間帯では、夜間から明け方が多くなります。暗い、寝起きでふらつく、急いでいる。この三つが重なるのがトイレへの往復です。
原因は体と環境の両方にある
体の側の原因は、筋力の低下、バランスの崩れ、視力の低下、薬の影響、めまいなどです。睡眠薬や降圧薬を飲み始めてから転ぶようになった場合は、医師に伝えてください。
環境の側の原因は、段差、滑る床、暗さ、コードやマットの端、置きっぱなしの物です。どちらか一方だけを直しても、転倒は減りません。
組み合わせて効かせる
夜のトイレを例にすると、ベッド脇の介助バー、廊下の手すり、足元灯、トイレの手すり、そしてポータブルトイレという選択肢が並びます。全部を入れる必要はありませんが、どこで不安定になるかを見てから順に足していきます。
一つ入れて様子を見て、まだ不安が残るところに次を足す。一度に全部そろえると、どれが効いたのかが分からなくなります。
| つまずく場面 | 組み合わせ |
|---|---|
| 起き上がるとき | 介護ベッドの高さ調整+介助バー |
| 立ち上がるとき | 据置型手すり+いすの高さ |
| 歩き出すとき | 歩行器または多点杖 |
| 廊下の途中 | 手すり+物を置かない+足元灯 |
| 段差 | スロープまたは段差の解消 |
| 浴室 | 入浴用いす+浴槽用手すり+すのこ |
片付けは用具と同じくらい効く
床のコード、めくれたマット、新聞の束、脱いだ衣類。これらを片付けるだけで、つまずく機会がはっきり減ります。手すりを付ける前に、通り道に物がないかを見てください。
足元灯は安く、効果が大きい手立てです。人が近づくと点くものを、寝室からトイレまでの経路に置きます。介護保険の対象ではありませんが、検討する価値があります。
出典
- 国立長寿医療研究センター 転びやすくなる原因は? 2026-08-22 確認
- 消費者庁 みんなで知ろう、防ごう、高齢者の事故 2026-08-22 確認
- 国土交通省 バリアフリー 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
関連する記事
- 廊下と階段で転ばないために廊下と階段での転倒を防ぐ手すりの位置、照明、床の見直し、2階との行き来をどうするかを説明します。
- 手すりのレンタル、工事のいらない手すり据置型と突っ張り型の手すりの違い、置く場所の決め方、住宅改修との使い分け、費用の目安を説明します。
- 筋力が落ちてきたと感じたら加齢や病気で筋力が落ちてきたときに、動く力を保つための用具の使い方と、使いすぎの落とし穴を説明します。
- 大腿骨を骨折したあと大腿骨の骨折から退院したあとの暮らしで、再骨折を防ぎながら動く力を戻すための用具を説明します。
- 体に合わせるということ、寸法をどう測るか車いすの座幅、ベッドの高さ、杖の長さなど、福祉用具を体に合わせるときの測り方と、合っていないときに出る不具合を説明します。
- 複数商品を比べるときに見るところ事業所から示された複数の商品を比べるとき、価格以外に見るべき項目を挙げ、判断の順序を説明します。
食事のことをもっと詳しく
高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。
地域から事業所を探す
福祉用具を借りるには、指定を受けた事業所と契約します。 お住まいの地域から探せます。
都道府県の一覧へ