転ばないための組み合わせ

選び方と使い方 / 2026-08-22 公開 / 2026-08-25 更新 / 約1,500字

高齢者の転倒は、屋外より家のなかで多く起きています。しかも、慣れた場所で起きます。用具を1つ足すより、原因を見つけて手立てを組み合わせるほうが確実に減ります。

転ぶ場所は決まっている

家のなかで多いのは、居間、廊下、階段、玄関、浴室です。段差のない平らな床でつまずく転倒がかなりの割合を占めます。 何もないところで足が引っかかるのは、足が上がらなくなっているためです。

時間帯では、夜間から明け方が多くなります。暗い、寝起きでふらつく、急いでいる。この三つが重なるのがトイレへの往復です。

原因は体と環境の両方にある

体の側の原因は、筋力の低下、バランスの崩れ、視力の低下、薬の影響、めまいなどです。睡眠薬や降圧薬を飲み始めてから転ぶようになった場合は、医師に伝えてください。

環境の側の原因は、段差、滑る床、暗さ、コードやマットの端、置きっぱなしの物です。どちらか一方だけを直しても、転倒は減りません。

組み合わせて効かせる

夜のトイレを例にすると、ベッド脇の介助バー、廊下の手すり、足元灯、トイレの手すり、そしてポータブルトイレという選択肢が並びます。全部を入れる必要はありませんが、どこで不安定になるかを見てから順に足していきます。

一つ入れて様子を見て、まだ不安が残るところに次を足す。一度に全部そろえると、どれが効いたのかが分からなくなります。

つまずく場面組み合わせ
起き上がるとき介護ベッドの高さ調整+介助バー
立ち上がるとき据置型手すり+いすの高さ
歩き出すとき歩行器または多点杖
廊下の途中手すり+物を置かない+足元灯
段差スロープまたは段差の解消
浴室入浴用いす+浴槽用手すり+すのこ

片付けは用具と同じくらい効く

床のコード、めくれたマット、新聞の束、脱いだ衣類。これらを片付けるだけで、つまずく機会がはっきり減ります。手すりを付ける前に、通り道に物がないかを見てください。

足元灯は安く、効果が大きい手立てです。人が近づくと点くものを、寝室からトイレまでの経路に置きます。介護保険の対象ではありませんが、検討する価値があります。

一度転んだ人は、また転ぶ確率が高くなります。転んだことは小さなことでもケアマネジャーに伝えてください。

夜の動きから組み立てる

転倒の多くは、夜にトイレへ行く途中で起きています。

寝ぼけている、暗い、急いでいる。条件がそろっています。 ここに手を当てるのが、いちばん効きます。

ベッドの脇の手すり、廊下の明かり、トイレまでの距離。 この三つを見直すだけで、危ない場面が減ります。

履物と靴下

スリッパは脱げます。かかとのないものは、階段でとくに危ない。

靴下だけで歩くのも滑ります。滑り止めの付いたものに替えるだけで違います。

家の中で履くものを、一度見直してください。 道具を入れるより早く、費用もかかりません。

薬と転倒の関係

眠る薬、血圧の薬、精神を落ち着かせる薬。ふらつきの原因になることがあります。

種類が増えるほど、互いに影響し合います。 何をどれだけ飲んでいるかを、一度まとめて見てもらってください。

薬局でも相談できます。 転びやすくなったことを、医師と薬剤師の両方に伝えてください。

転んだあとに、何を変えるか

転んだ場所、時間、何をしようとしていたか。この三つを記録してください。

同じ場所で二度目が起きることが多くあります。そこに手を当てるのが先です。

怪我がなくても、ケアマネジャーに伝えてください。 次は骨を折るかもしれません。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

関連する記事

食事のことをもっと詳しく

高齢者の食事だけを扱う姉妹サイト「配食のふれ愛 太子店」の記事です。 どちらも株式会社京谷商会が運営しています。

地域から事業所を探す

福祉用具を借りるには、指定を受けた事業所と契約します。 お住まいの地域から探せます。

都道府県の一覧へ