大腿骨を骨折したあと

体の状態から考える / 2026-08-22 公開 / 約1,300字

大腿骨の付け根の骨折は、高齢者が寝たきりになる大きな原因です。手術をして退院したあと、どう暮らすかで回復の道筋が変わります。急ぐことと、急がないことがあります。

退院時と3か月後で必要なものが違う

退院直後は歩行器や車いすが要っても、リハビリが進めば杖で歩けるようになることがあります。この時期は状態が動くので、買わずに借りるほうが理にかなっています。

福祉用具貸与なら、状態に合わせて入れ替えられます。担当の相談員に、変わる前提であることを伝えておいてください。

反対側も折れやすい

一度折った人は、反対側も折る危険が高いことが知られています。再骨折を防ぐことが、退院後のいちばんの目標になります。

骨粗しょう症の治療、転倒を防ぐ環境、そして動く力を保つこと。この三つを同時に進める必要があります。 医療と用具の両方が要ります。

時期中心になる用具
退院直後介護ベッド、歩行器、車いす、手すり
1か月ごろ歩行器、手すり、入浴補助用具
3か月ごろ杖、手すり、必要に応じて歩行車
落ち着いてから手すりを残し、他を見直す

転ぶ場所を先につぶす

退院までに、家の危ないところを片づけておいてください。段差、敷居、電気の線、滑るマット、暗い廊下。元の家のままだと、また同じ場所で転びます。

転んだ場所がどこだったかを、本人か家族に確かめてください。そこがいちばん先に手を打つべき場所です。

怖さが動きを止める

また折るのが怖くて動かなくなる人がいます。動かなければ筋力が落ち、かえって転びやすくなります。

支えがあることで安心して動けるなら、用具は怖さを減らす道具になります。 どこまで動いてよいかは主治医とリハビリの担当に確かめてください。

骨粗しょう症の治療を受けているかを確かめてください。用具だけでは再骨折は防げません。

骨そのものへの手当て

折れた原因が骨の弱さにあるなら、そこへの治療が要ります。

骨の量を測る検査があり、薬による治療も行われています。

骨折の治療と、骨粗しょう症の治療は別です。 退院時に、どちらの話も聞いてください。

手術した側の動かし方

してはいけない動きが決まっていることがあります。深く曲げる、ひねる、内側に入れる。

守らないと、関節が外れることがあります。 用具の高さも、それに合わせて決まります。

退院前に、家族も一緒に聞いてください。 介助する人が知らないと守れません。

家に戻る前に測る

ベッドの高さ、トイレの高さ、いすの高さ。曲げてよい角度から逆算します。

病院で「これくらいの高さなら大丈夫」と確かめてから、家の寸法を合わせます。

退院前カンファレンスの場で、この話を出してください。 帰ってから測ると間に合いません。

恐怖を減らす

一度折ると、動くこと自体が怖くなります。 動かないと、また弱ります。

支えがあれば動ける、と体で分かることが、恐怖を減らします。

リハビリの職種に、家の中で見てもらってください。 病院でできたことが、家でできるとは限りません。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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