移動用リフト

自力で立てない人を、抱え上げずにベッドから車いすなどへ移すための機械です。

移動用リフトが要るのはこんなとき

ベッドから車いすへ移すとき、抱え上げるのがもう無理だと感じたときが使いどきです。介助する人の腰を壊してしまうと、そこで在宅の介護が終わります。持ち上げる力を機械に置き換えるための道具です。

体格の差が大きい組み合わせ(小柄な家族が大柄な本人を介助する)では、早い段階から考えたほうが安全です。「まだ何とかなる」と思っているうちに入れるほうが、本人も慣れます。

玄関の段差が大きく、スロープでは長さが足りないという家では、床ごと持ち上げる型を据え付けることがあります。ただし工事が要るものは対象外なので、据え置ける型かどうかを先に確かめます。

介護している人が腰を痛めて動けなくなり、在宅がそこで終わる、という形がよくあります。抱え上げる動作が毎日続いているなら、機械に替える時期です。人の力で持ち上げ続けられる期間には限りがあります。

借りるものか、買うものか

介護保険で借りるもの(福祉用具貸与)です。

制度の上での品目名は「移動用リフト(つり具の部分を除く)」です。事業所のカタログやケアプランには この名前で載るので、見積書と突き合わせるときの手がかりになります。

使える要介護度

要支援1・2と要介護1の人は、原則として介護保険では借りられません。ただし体の状態によっては例外として認められる道があります。

要介護度は市区町村の認定で決まります。今の区分が分からないときは、 介護保険被保険者証か、担当のケアマネジャーに確かめてください。

この品目に含まれるもの

告示で「移動用リフト(つり具の部分を除く)」として扱われるのは、次のようなものです。 同じ名前で売られていても、この範囲から外れると介護保険は使えません。

  • 床走行式リフト
  • 固定式リフト
  • 据置式リフト
  • 入浴用リフト
  • 段差解消機

移動用リフトの料金の目安

借りるときの1か月の額は1割負担でひと月およそ1,000円〜2,500円です。

体を支える「つり具」は買うもので、本体とは別に費用がかかります。

福祉用具貸与には品目ごとに上限価格が決められていて、事業所はその範囲で額を決めています。同じ品物でも事業所によって額が違うので、見比べる値打ちがあります。

ここに書いた額は目安です。実際の額は機種と事業所によって変わり、負担の割合も所得によって1割・2割・3割と違います。契約の前に必ず見積もりで確かめてください。

移動用リフトを選ぶときに見るところ

抱え上げる介助をやめるための機械

人ひとりを持ち上げる介助は、続けていれば介助する側の腰が先に壊れます。リフトは、その一回一回をなくすための道具です。

入れるのをためらう理由の多くは「大げさに感じる」ことですが、腰を痛めて介護そのものができなくなるほうが、暮らしへの打撃は大きくなります。

床走行式・据置式・固定式で置き方が変わる

床走行式はキャスターで動かすので、部屋から部屋へ移せます。そのかわり、ベッドの下に脚が入る隙間と、動かすための床の広さが要ります。

据置式は支柱を立てて使うので工事が要りません。固定式は天井や壁に取り付けるため工事が要り、賃貸では難しいことがあります。

つり具は買うもの

体に直接触れる布の部分は特定福祉用具販売の扱いで、購入になります。体格と使い方に合わせて選ぶので、本体と同じ事業所でそろえるほうが確実です。

汚れたときのために2枚持つ家庭もあります。年間10万円の枠の中で、ほかに買う用具と合わせて計算しておきます。

部屋の広さと、動かす経路を先に測る

床走行式は、ベッドの下に脚を差し込めることが前提です。ベッドの下に収納があると入りません。運ぶ先の便座や車いすの周りにも、機械が回れるだけの余裕が要ります。

借りる前に、ベッドから便座まで、実際に通る道を測ってください。置けても回せない、という理由で使われなくなる例があります。

移動用リフトを使うときに気をつけること

体を吊る布(つり具)は本体とは別の品目で、買うものです。本体だけ借りても、合うつり具がなければ使えません。同時に手配してください。

吊っている最中に体が回ったり、足がどこかに当たったりします。動かす前に、通り道に何も無いことを見ます。

一人で操作するのが難しい型があります。誰が使うのかを決めてから選び、実際にその人が動かしてみるまで契約を決めないほうが安全です。

つり上げている最中は、本人が宙に浮いた状態になります。怖がって体を動かすと揺れるので、必ず声をかけながら、ゆっくり動かしてください。初めて使う日は、事業所の職員に立ち会ってもらうのが確実です。

介護保険を使わずに借りるとき

要支援と要介護1は原則として対象外です。自費で買うと数十万円になるので、まずは例外として認められないかを市区町村に相談する道を探ってください。

介護をする人の腰痛が理由なら、リフトを入れる以外に、訪問介護で移乗を頼む、通所を増やして家での移乗の回数を減らす、といった手もあります。道具だけで考えないほうが解決が早いことがあります。

移動用リフトを使い終わったら

大きなものなので、事業所が分解して運び出します。据え付けた型は、床や壁に跡が残っていないかを一緒に見てもらいます。

つり具は買ったものなので手元に残ります。次に別のリフトを借りるときに使えるとは限らないので、本体を返す前に事業所へ相談してください。

移動用リフトのよくある質問

一人でも使えますか。

機種によります。床走行式は一人で操作できるものが多い一方、姿勢を整えるのに二人いたほうが安全な場面もあります。実際に試してから決めてください。

段差解消機も同じ品目ですか。

同じ「移動用リフト」の品目に含まれます。玄関の段差を昇り降りするための機械も、この品目として借りられます。

工事をせずに置ける型はありますか。

あります。床に置く据え置き型や、天井と床で突っ張る型なら工事が要りません。工事をして取り付けるものは介護保険の貸与の対象外になるので、置ける型かどうかを先に確かめてください。

一人で操作できますか。

型によります。実際に使う人が動かしてみて、無理なくできるかを確かめてから決めてください。二人がかりでないと危ない型もあります。

リフトを入れると、介護は楽になりますか。

持ち上げる力は要らなくなりますが、準備と操作に時間はかかります。慣れるまでは、これまでより手間に感じることがあります。腰を守るための道具だと考えてください。

移動用リフトと一緒に使うことが多い品目

この品目の解説

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