台所に立ち続けるために

暮らしの場面から / 2026-08-22 公開 / 約1,400字

料理をやめると、暮らしの張りが一気に落ちます。長く立てなくなった、鍋が重い、届かない。理由を分けて手を打てば、続けられる部分は残ります。

座ってできる部分を増やす

立ち続けられないなら、座ってできる作業を分けます。下ごしらえは食卓で座って行い、火を使うところだけ立つ、という組み立て方です。

高めのいすを台所に置くと、腰かけたまま流し台で作業できます。 座面が高いほど立ち上がりやすく、立った姿勢に近い高さで手が使えます。介護保険の対象ではありませんが、効果は大きい手立てです。

重いものを持ち上げない工夫

水を張った鍋、米びつ、調味料の大瓶。重いものを持ち上げる動作は、腰にも肩にも負担がかかり、落として火傷する危険もあります。

鍋に水を入れてから運ぶのではなく、置いてから注ぐ。 小分けにする、軽い調理器具に替える、といった工夫で持ち上げる重さを減らせます。

手が届く高さに置き直す

毎日使うものを、腰から肩の高さに集めます。踏み台に乗って上の棚を取る動作、しゃがんで下の棚を探す動作は、どちらも転倒につながります。

使う頻度の順に並べ替えるだけで、危ない動作の回数が減ります。 年に数回しか使わないものは、取り出しにくい場所でかまいません。

困っていること手立て
長く立てない高めのいす、座ってできる作業を分ける
鍋が重い小分け、置いてから注ぐ、軽い器具
上の棚に届かない毎日使うものを腰から肩の高さへ
床のものが取れない下の棚を使わない配置に
握力が弱い自助具の調理器具、電動のもの
火の消し忘れが心配自動で止まるコンロ、家族の見守り

安全の見直しも合わせて

火の消し忘れが増えてきたら、立ち消え安全装置や、一定時間で自動的に切れる機能のあるコンロに替えることを考えます。市町村が助成していることもあります。

床が濡れて滑るのも台所の危険です。マットを敷くなら、端がめくれない固定できるものにしてください。

調理をやめるかどうかは、安全だけで決めることではありません。何を残し、何を任せるかを本人と話してください。

火の始末を変える

消し忘れが出てきたら、道具のほうを替えるのが早い。

自動で止まる型のコンロ、電気の調理器。忘れても事故にならない仕組みにします。

「気をつける」では続きません。 忘れる前提で組んでください。

包丁と皮むきの道具

手に力が入らなくなると、包丁が滑ります。

握りの太い包丁、押し切りの道具、皮むきの器具。同じ作業を、別の動きでできます。

切ってある食材を買う。 道具を替えるより先に、この手があります。

冷蔵庫の中の見え方

奥のものが見えないと、同じものを何度も買います。 古いものが残ります。

手前だけを使う場所と決めて、奥は空けておく。 出し入れの姿勢も楽になります。

下の段は、かがまないと届きません。 よく使うものは、腰から胸の高さに移してください。

作らない日をつくる

毎食作るのが負担になったら、作らない日を決めて構いません。

配食のサービス、惣菜、冷凍。選択肢はあります。 全部を自分で作ることが目的ではありません。

このサイトの市区町村ページから、地域のサービスをたどれます。 台所に立ち続けるために、立たない日をつくってください。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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