全国平均貸与価格と上限価格のしくみ

介護保険とお金 / 2026-08-22 公開 / 約1,600字

福祉用具のレンタル料は事業所が決めますが、いくらでも高くできるわけではありません。商品ごとに上限が決められていて、それを超えると保険が使えなくなります。この仕組みがあるおかげで、価格を自分で調べなくてもある程度は守られています。

同じ商品なのに価格差が大きかった

かつては、同じ商品の貸与価格が事業所によって何倍も違うことがありました。利用者にとっては比べようがなく、示された額をそのまま受け入れるしかない状態でした。

この状況を受けて、2018年10月から二つの仕組みが始まりました。全国平均貸与価格の公表と、商品ごとの上限価格の設定です。

上限を超えると保険が使えない

上限価格は、商品ごとの全国平均貸与価格に一定の幅を上乗せして決められます。この上限を超える価格で貸与した場合、その商品は保険給付の対象になりません。 事業所にとって上限を超える価格設定は現実的でないため、事実上の天井として働きます。

上限は商品単位で決まります。同じ「車いす」でも、型番が違えば別の上限です。新しく発売された商品は、しばらく実績を集めてから上限が設定されます。

価格は定期的に見直されます。 一度決まった上限がずっと続くわけではなく、実際の貸与価格の分布をもとに改定されていきます。

事業所には説明する義務がある

福祉用具貸与事業所は、利用者に商品を提案するとき、その商品の貸与価格と全国平均貸与価格の両方を伝えなければなりません。カタログや説明書きに併記されているのが一般的です。

つまり、自分で調べなくても比べる材料は手元に来ます。説明のなかに全国平均が出てこなかったら、こちらから聞いてかまいません。

見るところ意味
貸与価格その事業所が設定している月額
全国平均貸与価格同じ商品の全国の平均
上限価格これを超えると保険が使えない額
TAISコード商品を特定する番号

安ければよいとは限らない

価格が平均より低い事業所が必ずしも得とは限りません。点検の頻度、故障したときの対応の速さ、代替品を出せるかどうかは、価格表には現れません。

見るべきは、価格が説明できる範囲に収まっているかどうかです。平均から大きく外れている場合は、なぜその価格なのかを尋ねてください。理由がはっきり返ってくるなら、それは判断の材料になります。

公表されている数字の探し方

商品ごとの全国平均の価格と上限の価格は、公表されています。 誰でも見られる形になっています。

事業所が示す見積もりの額が、その数字とどれくらい離れているか。離れているなら、理由があるはずです。

数字を持って行くと、話が具体的になります。 感覚で「高い気がする」と言うより、根拠がある問いのほうが答えが返ります。

価格に含まれているもの

貸与の額には、用具そのものだけでなく、運ぶ費用、消毒、点検、相談の手間が含まれています。

だから同じ商品でも事業所によって差が出ます。訪問が多い事業所、遠くまで来る事業所は、そのぶん費用がかかります。

何が含まれているかを聞いてから比べてください。 額だけを並べても、比べたことになりません。

上限が見直される時期

上限の価格は、定期的に見直されています。 新しい商品が加わり、古い商品の額が動きます。

見直しのあとに額が変わることがあります。契約している用具の額が動いたら、事業所から説明があるはずです。

説明のないまま額が変わっていたら、聞いてください。 請求書の数字は、毎月見る習慣をつけると気づけます。

安ければよいとは限らない

額を下げるために、訪問の回数を減らしている事業所があります。 借りたあとに誰も来ない状態は、安さと引き換えです。

故障したときにどれくらいで代わりが来るか。ここは額に出ませんが、暮らしに直に効きます。

このサイトの市区町村ページから、地域の事業所を並べて見られます。 額と体制の両方を聞いて、比べてください。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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