シルバーカーと歩行車は別のもの、介護保険で借りられるのはどちらか

選び方と使い方 / 2026-08-23 公開 / 約2,100字

売り場では隣に並んでいますが、シルバーカーと歩行車は用途の違う道具です。片方は荷物を運ぶためのもの、もう片方は体を支えるためのもの。この違いを知らずに買うと、支えのつもりで押していた道具が、転ぶ原因になります。

体重を預けられるかどうかで分かれる

シルバーカーは、自分の足で歩ける人が荷物を運び、疲れたときに腰かけるための道具です。体を支えることを想定してつくられていません。

歩行車は、体重の一部を腕で受けながら歩くための福祉用具です。前かがみになって寄りかかっても倒れにくいように、車輪の位置と重心が設計されています。

見分け方は、支えるつもりで押しているかどうかです。 荷物入れがついていて座面があると同じに見えますが、寄りかかった瞬間に前へ滑り出すのがシルバーカー、踏みとどまるのが歩行車です。

介護保険で借りられるのは歩行車のほう

介護保険の福祉用具貸与は、歩行器という品目の中で歩行車を扱っています。シルバーカーは、この品目には含まれません。

したがってシルバーカーは、自分で買うことになります。数千円から数万円まで幅があり、大きさも重さもさまざまです。買ってから合わないと分かっても、制度上の交換のしくみはありません。

歩行車なら借りて試せます。合わなければ替えられ、体が変われば別の型に変更できます。支えが要る段階に来ているなら、買う前にケアマネジャーへ相談してください。

支えのつもりでシルバーカーを使うと危ない

製品事故を集めている機関が、シルバーカーと歩行車での転倒を繰り返し取り上げています。多いのは、体重をかけたときに動いてしまう形の事故です。

座面に腰かけるときも同じです。ブレーキをかけずに座ると、そのまま前へ出ます。座るための道具でありながら、座るときがいちばん危ない。 ここは説明書に必ず書かれています。

下り坂では、押す道具がひとりでに先へ行きます。体より先に道具が進むと、引っぱられて前のめりになります。 傾きのある道では、握りをしっかり引き寄せて、歩幅を小さくしてください。

歩行車にも、いくつかの型がある

車輪が四つあり、両手で握って前に押す形が一般的です。腕を乗せて支える台のついた型は、握力が落ちている人や、手首が痛む人に向いています。

車輪が二つで、残りが脚になっている型もあります。滑りにくいぶん、持ち上げて進める場面が増えます。 屋内で使うのか屋外で使うのかによって、向く型が変わります。

屋外で使うなら、車輪の大きさが効きます。小さい車輪は舗装の継ぎ目や砂利で止まります。普段の道を、担当の相談員に一緒に歩いてもらうのがいちばん確かです。

選ぶ前に、どこで困っているかを言葉にする

長い距離が歩けないのか、途中でふらつくのか、荷物が持てないのか。困りごとの中身が違えば、要る道具も違います。

荷物だけの問題なら、シルバーカーで足ります。ふらつきがあるなら、荷物入れのついた道具ではなく、支えられる道具が要ります。 ここを取り違えたまま買うと、危ないほうの道具が家に増えます。

歩ける距離が短くなってきた背景には、筋力のほかに、痛み、息切れ、めまい、薬の影響などがあります。道具でしのぐ前に、原因を一度は診てもらってください。

高さを合わせないと、道具が邪魔になる

握りの高さの目安は、まっすぐ立って腕を下ろしたときの手首のあたりです。ここから肘が少し曲がる程度になります。

高すぎると肩が上がって疲れ、低すぎると前かがみになって重心が前へ出ます。 前かがみは転ぶ姿勢そのものなので、低すぎるほうが危険です。

買ったシルバーカーは、高さを変えられない型もあります。調整の幅があるかどうかを、売り場で必ず確かめてください。 借りる歩行車なら、搬入の日にその場で合わせてもらえます。

使わなくなった道具を、置いたままにしない

合わなかった道具が玄関に残っていると、それ自体がつまずく物になります。廊下と玄関は、いちばん転倒の多い場所です。

借りているものなら返せます。買ったものは、自治体の粗大ごみの扱いを確かめてください。このサイトの市区町村ページから、地域の相談先をたどれます。

シルバーカーは介護保険の対象ではありませんが、市区町村が独自に助成をしている例があります。介護保険とは別のしくみなので、お住まいの市区町村の窓口で確かめてください。

シルバーカーは介護保険で借りられますか。

福祉用具貸与の品目に含まれていないため、借りられません。介護保険で借りられるのは歩行器の品目に入る歩行車のほうです。

見た目が同じように見えます。どこで見分けますか。

体重を預ける前提でつくられているかどうかです。商品の説明に歩行車、歩行器と書かれているか、福祉用具貸与の対象と書かれているかを確かめてください。判断に迷うときは福祉用具専門相談員に聞くのが確実です。

要支援でも歩行車を借りられますか。

歩行器は要支援の人も借りられる品目です。詳しくは要支援・要介護1でも借りられる福祉用具の記事で扱っています。

この記事にかかわる品目

両手で支えながら歩くための用具で、体重を預けられるぶん歩く距離をのばせます。

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出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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