介護保険の対象にならない福祉用具と、その手立て

福祉用具のきほん / 2026-08-22 公開 / 約1,900字

暮らしのなかで必要になる道具のすべてが介護保険で手に入るわけではありません。対象外だと言われたときに諦める前に、別の制度や市町村の独自事業を確かめる余地があります。

対象外になりやすいもの

紙おむつや尿とりパッドのような使い切りのもの、床ずれ用の薬やドレッシング材のような医療材料、食事を助ける自助具の食器やスプーン、階段昇降機、電動アシスト付きのシルバーカーなどは、介護保険の福祉用具には入りません。

「介護に役立つかどうか」ではなく、「19品目に入っているかどうか」で決まります。 役に立つ道具でも、品目にない以上は保険では扱えません。

市町村が独自に助成していることがある

紙おむつの費用を助成している市町村は多くあります。要介護度や所得で条件が付くのが一般的で、現物給付のところもあれば、購入券を配るところもあります。名称も「おむつ支給事業」「介護用品支給事業」などまちまちです。

住宅改修についても、介護保険の20万円とは別に、市町村が上乗せの助成を用意していることがあります。こうした独自事業は広報されにくく、聞かなければ教えてもらえないことが多いので、地域包括支援センターで一度まとめて尋ねるのが確実です。

障害のある人には別の制度がある

身体障害者手帳を持っている人は、補装具費支給制度と日常生活用具給付等事業という枠組みが使えます。義肢、装具、車いす、意思伝達装置などが補装具にあたり、入浴補助用具や特殊寝台が日常生活用具として給付されることもあります。

65歳以上で介護保険の認定も受けている場合は、原則として介護保険が優先されます。ただし、個別の体の状態に合わせて作る必要があるものは、介護保険ではなく補装具として扱われます。 オーダーメイドの車いすがその例です。

総合事業のなかで扱われることもある

要支援の人や、基本チェックリストで該当した人が使う介護予防・日常生活支援総合事業では、市町村が独自にサービスを組み立てられます。そのなかに用具の貸し出しを含めている市町村があります。

中身は市町村ごとに大きく違うので、全国共通の説明はできません。住んでいる市町村の窓口で確かめてください。

医師が治療のために必要と判断した装具は、医療保険の療養費の対象になることがあります。まず主治医に相談してください。

保険の外だから劣る、ではない

対象から外れている理由の多くは、価格が高くないことと、広く出回っていることです。 品質の問題ではありません。

T字杖、シルバーカー、滑り止めのマット。どれも暮らしを支えますが、貸与になじまない品目として整理されています。

対象かどうかで、要る要らないを決めない。 安く手に入るかどうかの話であって、必要かどうかの話ではありません。

値段の幅が大きい

保険の外の用具には、公定の価格がありません。同じような品物でも、売る先によって値段が大きく違います。

高いものが良いとも限りません。大事なのは、体に合わせられるかどうかです。 高さや角度を変えられない製品は、合わなかったときに手が出せません。

訪問してきた業者にその場で契約させられる形の相談が、消費生活の窓口に寄せられています。 その場で決めず、何軒か比べてください。

買う前に試す方法

福祉用具の事業所では、保険を使わない貸し出しを扱っているところがあります。 買う前に試す道になります。

介護の相談窓口や社会福祉協議会が、貸し出しや展示を行っている地域もあります。 お住まいの市区町村で確かめてください。

このサイトの市区町村ページから、地域の福祉用具の事業所をたどれます。 保険の外の相談も受けてもらえます。

医療費控除の対象になることがある

医師の指示で用意した用具は、医療費控除の対象になる場合があります。

対象になるかどうかは、用具の種類と、医師の指示があるかどうかで決まります。 領収書と、指示のあったことが分かるものを残してください。

判断に迷うときは税務署に尋ねてください。 介護保険の窓口では答えが出ない話です。

対象外のものを自費で借りることはできますか。

できます。福祉用具貸与事業所の多くが、保険を使わない自費のレンタルを扱っています。介護保険の品目にないものも取り扱っていることがあるので、尋ねてみてください。

医療費控除の対象にはなりますか。

おむつについては、医師が発行するおむつ使用証明書があれば医療費控除の対象になる場合があります。条件があるので、税務署か国税庁の案内で確かめてください。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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