障害福祉の補装具・日常生活用具との違い

福祉用具のきほん / 2026-08-22 公開 / 2026-08-25 更新 / 約2,000字

車いすや特殊寝台は、介護保険でも障害福祉制度でも扱われます。両方の対象になる人はどちらを使うのか、体に合わせて作りたい場合はどうなるのか。制度が重なる部分の考え方を整理します。

二つの制度が扱うもの

障害福祉制度には、補装具費支給制度と日常生活用具給付等事業の二つがあります。補装具は義肢、装具、車いす、電動車いす、歩行器、意思伝達装置など、体の機能を補うために身につけたり使ったりするものです。

日常生活用具は、特殊寝台、入浴補助用具、移動用リフト、便器、ネブライザーなど、暮らしを支える用具です。市町村が実施する事業なので、対象になる品目も基準額も市町村ごとに違います。

介護保険の福祉用具補装具日常生活用具
根拠介護保険法障害者総合支援法障害者総合支援法(地域生活支援事業)
対象者要支援・要介護の認定を受けた人身体障害者手帳を持つ人など身体障害者手帳を持つ人など
品目全国共通の19品目国が定める種目市町村が定める
体に合わせて作る原則としてできないできる品目による
窓口市町村の介護保険担当市町村の障害福祉担当市町村の障害福祉担当

両方の対象になる人は介護保険が優先される

65歳以上で介護保険の認定を受けていて、かつ障害者手帳も持っている人の場合、同じ用具については原則として介護保険が優先されます。介護保険で借りられる車いすがあるなら、まずそちらを使うという考え方です。

ただし、既製品では体に合わない場合は補装具として作ることが認められます。 座位を保つのが難しい人のオーダーメイドの車いすや、脚の長さが左右で違う人の装具などがこれにあたります。判断は市町村が個別に行うので、必要な理由を医師の意見書などで示すことになります。

費用の負担のしかたが違う

介護保険の福祉用具貸与は毎月の利用料で、原則1割などの負担です。補装具費は、原則1割の負担で、世帯の所得に応じた上限額が決められています。一定以上の所得がある世帯は対象外になることがあります。

日常生活用具の負担割合と上限は市町村が決めるので、地域差があります。同じ品目でも隣の市と自己負担が違うことは珍しくありません。

40歳から64歳の人の扱い

40歳から64歳の人が介護保険を使えるのは、加齢に伴う16の特定疾病が原因で介護が必要になった場合に限られます。それ以外の原因で障害がある場合は、介護保険ではなく障害福祉制度を使います。

特定疾病には、関節リウマチ、筋萎縮性側索硬化症、パーキンソン病関連疾患、脳血管疾患、末期のがんなどが含まれます。自分の病気が特定疾病にあたるかどうかで、使える制度が変わってきます。

窓口が分かれている

介護保険の担当課と、障害福祉の担当課は別です。同じ市区町村の中でも、階が違うことがあります。

片方に聞いただけでは、もう片方の制度は案内されません。両方に聞くのが確実です。

「介護保険では対象外です」と言われても、障害福祉の側で道があることがあります。 そこで止めないでください。

使い慣れた用具を続けたいとき

障害福祉の制度で用意した用具を長く使っている人が、65歳になって介護保険に移ることがあります。

体に合わせてつくった用具は、同じものが介護保険の品目にあるとは限りません。 そのまま使い続けられるかどうかは、市区町村の判断になります。

移る前に、両方の担当者に相談してください。 移ってから困るより、移る前に道筋を確かめるほうが軽くなります。

特定疾病で介護保険に移るとき

40歳から64歳の人でも、決められた病気にあてはまれば介護保険が使えます。

このとき、障害福祉の制度と重なる部分は介護保険が優先されます。ただし、介護保険にない用具は障害福祉の側で受けられます。

どちらで受けるかは、用具ごとに分かれます。 一括りにできない話なので、品目ごとに確かめてください。

両方の担当者を引き合わせる

ケアマネジャーと、障害福祉の相談支援専門員。両方がついている人がいます。

別々に動いていると、同じ用具を二重に検討したり、どちらも手を出さないまま止まったりします。

一度、同じ場で話してもらってください。 本人と家族から声をかけるのがいちばん早い方法です。

介護保険で借りている車いすを、補装具に切り替えられますか。

既製品では体に合わないことを示せれば、切り替えられる場合があります。医師や理学療法士の意見が判断の材料になるので、まず主治医とケアマネジャーに相談してください。

二つの制度の窓口が違うと、話が通じませんか。

市町村によっては、介護保険と障害福祉の担当が連携する仕組みを持っています。うまく話が進まないときは、地域包括支援センターや相談支援専門員に間に入ってもらう方法があります。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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