介護保険で扱う19品目の全体像

福祉用具のきほん / 2026-08-22 公開 / 約2,100字

介護保険で扱える福祉用具は19品目です。品目の名前は制度の言葉で書かれているため、暮らしの言葉に置き換えないと何のことかわかりにくいものがあります。全体を一度見渡しておくと、相談するときに話が早くなります。

借りる13品目

福祉用具貸与の対象は、車いす、車いす付属品、特殊寝台、特殊寝台付属品、床ずれ防止用具、体位変換器、手すり、スロープ、歩行器、歩行補助つえ、認知症老人徘徊感知機器、移動用リフト、自動排泄処理装置の13です。

品目暮らしの言葉でいうと要介護度の条件
車いす座ったまま移動する要介護2以上が原則
車いす付属品クッションやテーブルなど要介護2以上が原則
特殊寝台介護ベッド要介護2以上が原則
特殊寝台付属品マットレス、柵、ベッド用手すり要介護2以上が原則
床ずれ防止用具エアマットなど要介護2以上が原則
体位変換器寝返りを助ける道具要介護2以上が原則
手すり置くだけの手すり制限なし
スロープ段差にかける板制限なし
歩行器両手で支えて歩く制限なし
歩行補助つえ多点杖や松葉づえ制限なし
認知症老人徘徊感知機器外出を知らせる機器要介護2以上が原則
移動用リフト抱え上げずに移す機械要介護2以上が原則
自動排泄処理装置排泄物を自動で処理する装置要介護4・5

「要介護2以上が原則」と書いたものは、軽度者への貸与制限がかかる品目です。 要支援1・2と要介護1の人でも、体の状態によっては例外として認められる道があります。

買う6品目

特定福祉用具販売の対象は、腰掛便座、自動排泄処理装置の交換可能部品、排泄予測支援機器、入浴補助用具、簡易浴槽、移動用リフトのつり具の部分の6つです。

この6つに共通するのは、肌に直に触れるか、使い回すことに抵抗があるものだという点です。だから消毒して次の人に貸すのではなく、買い取る形になっています。

品目暮らしの言葉でいうと
腰掛便座ポータブルトイレ、補高便座
自動排泄処理装置の交換可能部品レシーバーやチューブ
排泄予測支援機器トイレの頃合いを知らせる機器
入浴補助用具シャワーチェア、浴槽用手すり、バスボード
簡易浴槽居室で入浴できる持ち運べる浴槽
移動用リフトのつり具の部分リフトで体を支える布

困りごとから引くとわかりやすい

品目名から選ぶのではなく、困っている場面から引くほうが実際的です。起き上がれないなら介護ベッドと手すり、歩くとふらつくなら歩行器かつえ、トイレが間に合わないなら腰掛便座か排泄予測支援機器、というつながり方をします。

一つの困りごとに一つの品目が対応するとは限りません。 「夜のトイレが不安」という悩みには、ベッド用手すり、廊下の手すり、ポータブルトイレ、センサー付きの照明といった組み合わせが考えられます。どれを選ぶかは体の状態と家の造りで変わります。

19品目に入らないものはどうするか

紙おむつ、床ずれ用の薬、階段昇降機、自助具の食器などは、介護保険の福祉用具には入りません。市町村が独自に助成していることがあるので、地域包括支援センターで尋ねてみてください。

65歳未満で障害のある人は、障害福祉制度の補装具費支給や日常生活用具給付という別の枠組みが使えることがあります。制度が違うので、窓口も市町村の障害福祉担当になります。

品目の名前と、売り場の言い方は違う

制度の上の名前は、日常の言い方と一致しません。介護ベッドは特殊寝台、ポータブルトイレは腰掛便座と呼ばれています。

見守りの機器は徘徊感知機器という名前で入っています。言葉が古く、実際の使われ方と合っていない品目もあります。

探すときは、品目名ではなく困りごとから引くほうが早い。 「夜に起きて転ぶ」から入れば、ベッド、手すり、センサーの三つに当たります。

品目が分かれている理由

品目ごとに、借りるか買うか、要介護度の制限があるかどうかが決まっています。

同じ場所で使う道具でも、扱いが分かれます。浴室の手すりは工事なら住宅改修、置くだけなら福祉用具、浴槽の中のいすは購入です。

分かれ目を覚える必要はありません。 どこで困っているかを伝えれば、専門職がどの枠に当たるかを判断します。

一つの困りごとに、複数の品目が当たる

立ち上がれない、という一つの困りごとに対して、ベッドの高さ、手すり、いすの座面、それぞれから手が打てます。

どれか一つで足りることもあれば、組み合わせが要ることもあります。全部そろえるほど良いわけではありません。

用具が増えるほど、家の中の通り道は狭くなります。 減らせるものはないかを、増やすときに一緒に考えてください。

品目に入っていても、借りられるとは限らない

要介護度による制限があります。ベッドと車いすは、原則として要介護2以上です。

例外として認められる道はありますが、判断するのは市区町村です。 品目の一覧に載っていることと、自分が借りられることは別の話になります。

このサイトでは、品目ごとのページで対象と制限を確かめられます。 そのうえで、ケアマネジャーに相談してください。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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