介護する側の体を守る

選び方と使い方 / 2026-08-22 公開 / 2026-08-25 更新 / 約1,500字

在宅の介護が続けられなくなる理由の多くは、本人の状態ではなく、介助する人が体を壊すことです。腰を痛めてからでは戻せません。用具は本人のためのものですが、介助する人を守る道具でもあります。

抱え上げる介助は、いつか続かなくなる

体重50キロの人をベッドから車いすへ移す作業を、1日に何度も繰り返す。この負担は、健康な人でも数年で腰に出ます。介助する家族が高齢である場合はなおさらです。

抱え上げないための道具はそろっています。スライディングボード、スライディングシート、移動用リフト、介助ベルト。どれも、力ではなく滑りや機械の力を使います。

ベッドの高さを変えるだけで変わる

介助のときは高く、本人が立ち上がるときは低く。介護ベッドの高さ調整は、この使い分けのためにあります。前かがみのまま介助する姿勢が、腰を痛める最大の原因です。

介助する人の腰の高さにベッドを合わせると、背中を丸めずに済みます。搬入の日に、介助する人の身長でも合わせておいてください。

道具を入れることは、手を抜くことではない

リフトを入れることに抵抗を感じる家族は多くいます。機械に任せるのが冷たく思える、大げさに見える、といった理由です。

ただ、抱え上げられる側にとっても、落とされる不安がなくなるという意味があります。 力ずくの介助は、体を痛めるだけでなく、皮膚を傷つけたり関節を痛めたりすることもあります。

場面負担を減らす道具
ベッドの上で位置を直すスライディングシート
ベッドから車いすへスライディングボード、リフト
寝返り体位変換器、介護ベッドの背上げ
立ち上がり介助バー、手すり、ベッドの高さ
入浴入浴用いす、介助ベルト、リフト
夜間の見守り離床センサー

疲れきる前に相談する

眠れない、いらだつ、体が痛い。これらが続いているなら、用具だけでは足りない段階です。ショートステイ、デイサービス、訪問介護を組み合わせて、休む時間を確保することを考えてください。

介護する人が倒れると、在宅の暮らしはその日に終わります。 ケアマネジャーに、本人のことだけでなく自分の状態も伝えてください。それは正当な相談です。

介護している人が追い詰められると、思わぬ形で本人を傷つけてしまうことがあります。限界を感じたら、地域包括支援センターに連絡してください。

腰を痛める動きは決まっている

前かがみで、膝を伸ばしたまま持ち上げる。 これがいちばん腰に来ます。

ベッドが低いと、この姿勢になります。高さを上げるだけで、同じ介助が別の作業になります。

持ち上げるのではなく、滑らせる。 道具を使えば、力はほとんど要りません。

夜に起きる回数を減らす

介助する人が倒れる原因の多くは、眠れないことです。

夜のトイレを減らせないか、ポータブルトイレを置けないか、尿の出方に手立てがないか。 医師にも相談してください。

短期入所を使って、まとまって眠る日をつくる。 続けるための手立てとして、正当な選択です。

一人で抱え込まない

家族の中で、一人に集まっていることがあります。

離れて暮らす兄弟に、何をしてもらうかを具体的に頼む。 「たまには来て」では動きません。

ケアマネジャーに、家族の負担も伝えてください。 本人の状態だけを見て組まれた計画は、続きません。

自分の体を診てもらう

腰、膝、肩。痛みが出てから休むのでは遅い。

介助する人が倒れると、本人の暮らしも止まります。 そこまで含めて考えてください。

自分の受診の時間を、計画の中に入れておく。 時間がないのではなく、後回しにしているだけのことが多くあります。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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