複数の商品を提示してもらう権利
福祉用具を選ぶとき、事業所が持ってきた1つを受け入れるしかないと思っている人が少なくありません。実際には、複数の商品を示して比べられるようにすることが事業所の義務です。
機能や価格帯の違う商品を示すことになっている
福祉用具貸与事業所は、利用者に商品を提案するとき、機能や価格帯の異なる複数の商品を示すことになっています。同じような商品を並べるのではなく、選ぶ意味のある違いがある商品を示すという趣旨です。
選定した理由の説明も求められます。なぜその商品を勧めるのか、他の商品ではなぜ足りないのかを聞けば答えが返ってくるはずです。
比べるときに見るところ
価格だけを見比べても決められません。体に合うかどうか、家に入るかどうか、扱えるかどうかを合わせて見ます。
介護ベッドなら、モーターの数、幅、高さの下限、柵の形。車いすなら、座面の幅と奥行き、折りたたんだときの大きさ、重さ。歩行器なら、握りの高さと持ち上げられる重さ。どれも実際に触って試したほうが早くわかります。
| 見るところ | 確かめかた |
|---|---|
| 体に合うか | 実際に座る、握る、立ち上がってみる |
| 家に入るか | 搬入経路と置く場所を測っておく |
| 扱えるか | 介助する家族が動かせる重さかを試す |
| 費用 | 貸与価格と全国平均貸与価格を並べて見る |
| 手入れ | 洗える部分と交換部品の有無 |
提示がなかったときは
1つしか示されなかった場合は、他の選択肢はないのかと尋ねてください。在庫や体の条件から本当に1つしか適さないこともありますが、その場合はその理由が説明されるはずです。
説明に納得できなければ、ケアマネジャーに伝えて別の事業所の見積もりを取ることもできます。事業所を選ぶ権利は利用者の側にあります。
価格の根拠を尋ねてよい
同じ商品でも、事業所によって貸与価格が違います。全国平均貸与価格と上限価格が公表されているので、示された金額がどのあたりに位置するのかを確かめられます。
高いほうを勧められたなら、何が違うのかを聞いてください。搬入時の調整、点検の頻度、故障時の対応。価格の差が中身の差であるなら、それは納得できる説明になります。
高い商品ばかり勧められている気がします。
価格帯の異なる商品を示すのが義務なので、安いほうの選択肢も出してもらってください。機能の差が体の状態にとって意味があるのかを聞けば、判断の材料になります。
自分で商品を指定してもよいですか。
構いません。ただし体に合うかどうかは相談員の見立てを聞いてください。指定した商品が体に合わないと判断された場合は、その理由を説明してもらえます。
出典
- 厚生労働省 介護保険制度における福祉用具貸与・販売の概要(PDF) 2026-08-22 確認
- テクノエイド協会 福祉用具貸与価格適正化推進事業(厚生労働省) 2026-08-22 確認
- 厚生労働省 用語の解説(介護サービス情報公表システム) 2026-08-22 確認
制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。
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