福祉用具の事故を防ぐ

選び方と使い方 / 2026-08-22 公開 / 2026-08-25 更新 / 約1,600字

福祉用具は体を預ける道具なので、使い方を誤ると重い事故につながります。報告されている事故は、品目ごとに同じ場面で繰り返し起きています。どこで起きているかを知っておけば、その場面だけ気をつければ済みます。

介護ベッドは、すき間と操作中に起きる

柵と柵のあいだ、柵とマットレスのあいだ、ヘッドボードと柵のあいだに首や手足が入り込む事故が毎年報告されています。体が細い人と、動きの読めない人で起きやすくなっています。

背上げや高さ調整の操作中にも事故が起きています。動いている途中に体や布団が挟まる、そばの物を巻き込む、といった形です。操作しているあいだはそばを離れないでください。

電動車いすは、屋外の決まった場所で起きる

踏切内での立ち往生、用水路や側溝への転落、段差での転倒が繰り返し起きています。死亡につながる割合が高い品目です。

慣れてきた頃に起きる事故が多いことも知られています。使い始めに気をつけていたことが、数か月経つと崩れます。家族が定期的に一緒に外出して、走り方を見ておいてください。

車いすと歩行器は、移るときと止まるときに起きる

車いすでは、ブレーキをかけずに立ち上がろうとして車いすが動き、転倒する事故が多くあります。フットサポートに足を乗せたまま立とうとして前へ倒れる事故も起きています。

歩行車では、下り坂で前へ逃げていく、寄りかかったまま体重をかけて倒れる、といった事故があります。シルバーカーに体重を預けて転ぶ事故も報告されています。 シルバーカーは体を支える道具ではありません。

品目起きやすい場面防ぎ方
介護ベッドすき間、操作中カバーで埋める、操作中は離れない
電動車いす踏切、側溝、段差経路を決めておく、同行して確かめる
車いす移乗のときブレーキ、足を下ろす
歩行車下り坂、寄りかかりブレーキの使い方を覚える
入浴用いす濡れた床ゴム脚の点検、すのこ
スロープ雨天、脱輪滑り止め、車輪幅の確認

事故やヒヤリハットが起きたら伝える

実際に事故が起きたときも、危なかっただけのときも、事業所に伝えてください。用具の不具合が原因なら、同じ商品を使っている他の人にも関わります。

重大な製品事故は、メーカーから国へ報告する仕組みがあります。テクノエイド協会は福祉用具のヒヤリハット情報を集めて公開しており、寄せられた情報がそのまま次の改善につながっています。

けがをしたときは、まず医療機関へ。そのうえで事業所とケアマネジャーに連絡してください。

説明書を残しておく

借りた用具にも説明書が付いてきます。捨てないでください。

停電したときの動かし方、点検する場所、してはいけない使い方。必要になるのは、たいてい困ったときです。

用具のそばに置いておく。 引き出しの奥にしまうと、探しているうちに時間が過ぎます。

使い方が我流になっていないか

搬入の日に教わったやり方が、数か月で変わっていることがあります。

手間を省いた結果、危ない使い方になっていることが少なくありません。ブレーキを掛けない、柵を下ろしたまま離れる。

モニタリングのときに、実際の使い方を見てもらってください。 聞かれなければ、こちらから見せる。

子どもや来客がいる家

孫が遊びに来る家では、ベッドの操作をいじって挟む事故が起きています。

操作の器具を届かない場所に置く、動かせないようにする機能を使う。 型によって備わっています。

来客のあるときだけ気をつける、では抜けます。 普段からの置き場所を決めてください。

事故の情報は公開されている

福祉用具の事故とヒヤリハットの情報は、公的な機関がまとめて公開しています。

読むと、同じ場面が繰り返し起きていることが分かります。柵の隙間、坂での転倒、ブレーキの掛け忘れ。

自分の家で同じことが起きないかを、その目で見直してください。 起きたことは、たいてい起きます。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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