家で最期まで過ごすための備え

暮らしの場面から / 2026-08-22 公開 / 約1,400字

家で過ごすと決めたとき、用具は暮らしを支える道具から、体を守り、介助を成り立たせる道具に変わります。状態が動く時期なので、入れ替えが早くできる体制をつくっておくことが要点です。

寝床をまず整える

寝ている時間が長くなるので、特殊寝台と床ずれ防止用具が中心になります。背上げができると、食事も会話も呼吸も楽になります。 高さが変えられることで、介助する側の腰も守れます。

床ずれは、いったんできると治りにくく、痛みも伴います。動けなくなってきた時点で、先に防止用具を入れてください。

状態が動く前提で組む

数週間で必要なものが変わることがあります。レンタルなら、状態が変わったときに入れ替えられます。 買ってしまうと、合わなくなっても手元に残ります。

担当の福祉用具専門相談員に、状況を早めに伝えておいてください。 急な入れ替えに備えて、機種の見当をつけておいてもらえます。

場面中心になる用具
まだ起きられる手すり、歩行器、車いす
ベッドの時間が長い特殊寝台、付属品、床ずれ防止用具
自分で寝返れない体位変換器、床ずれ防止用具
移乗が難しい移動用リフト、つり具
排泄が自力で難しい腰掛便座、自動排泄処理装置
体を拭く、洗う簡易浴槽、入浴補助用具

介助する家族を守る

看取りの時期は、家族の負担が急に増えます。移乗を毎日繰り返せば腰を痛め、夜中に何度も起きれば眠れなくなります。リフトや自動排泄処理装置は、家族が続けられるようにするための道具です。

訪問看護、訪問診療、短期の入所。用具だけでなく、人の手も組み合わせてください。すべてを家族で抱えないことが、家で過ごし続ける条件です。

返すときのことも決めておく

その日が来たあと、用具の引き取りをどうするか。あらかじめ事業所に確認しておくと、あわてずに済みます。 月の途中で返した場合の料金の扱いも聞いておいてください。

福祉用具貸与の契約は、亡くなった日で終わるのが一般的です。引き取りの日程は落ち着いてからで構いません。

在宅での看取りは、医療との連携が前提です。かかりつけ医と訪問看護の体制を先に整えてください。

痛みを和らげる姿勢

同じ姿勢が続くと、痛みが強くなります。 少し傾けるだけで楽になることがあります。

クッションで支える位置を変える、膝の下に入れる。 体の力が抜ける形を探します。

どの姿勢が楽かは、本人にしか分かりません。 聞ける間に聞いておいてください。

床ずれを防ぐ

動けなくなると、お尻、かかと、背中に負担が集まります。

体位を変える、圧を分けるマットレスを使う。 一度できると治りにくいので、防ぐほうが先です。

赤くなっている場所を見つけたら、その日のうちに看護師へ伝えてください。 早ければ戻ります。

夜に人手を足す

この時期の介護は、夜が最も重くなります。

夜間の訪問介護、訪問看護。時間帯を限って人を入れられます。

家族が眠れなくなると、在宅が続きません。 使えるものを先に組んでおいてください。

何を望むかを、聞いておく

話せる間に、どうしたいかを聞いておく。 あとから家族が迷わずに済みます。

救急車を呼ぶかどうか、病院へ運ぶかどうか。 決めておかないと、その場で判断することになります。

医師と看護師にも共有してください。 家族だけで抱える話ではありません。

出典

制度の運用と自己負担の額は市区町村によって異なります。 最終的な確認は担当のケアマネジャーか市区町村の窓口へお願いします。

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